×

クリエイティブな才能が集結!シャネルの2022年春夏 オートクチュール コレクション

現代アーティストのインスタレーション、ミュージシャンによる生演奏、そして、驚きの舞台演出まで、大きな話題を集めた「シャネル」の2022年春夏 オートクチュール コレクション ショー。そのハイライトとともに、アーティスティック ディレクターのヴィルジニー・ヴィアールと今回のコラボレーションに関わったメンバーたちのスペシャルなインタビューをお届け。

グレース・ケリーの孫娘、シャルロットが馬に乗って登場!

馬に乗ってステージに登場したシャルロット・カシラギ

1月25日、パリの「グラン・パレ・エフェメール」で「シャネル」の2022年春夏 オートクチュール コレクション ショーが発表された。今回のショーでは、ヴィルジニーの長年の夢だったフランスの現代アーティストであるグザヴィエ・ヴェイヤンとのコラボレーションが実現。1920〜30年代のアヴァンギャルドから着想を得た、ジオメトリックな装飾が施されたステージが舞台となった。

グザヴィエの作品には馬が登場することが多いことから、グレース・ケリーの孫娘で、メゾンのアンバサダーであり馬術家でもあるシャルロット カシラギが、馬にまたがってランウェイ駆け抜けるという大胆な演出でショーは開幕。また、ショーの音楽はアンバサダーのミュージシャン、セバスチャン・テリエが担当し、グザヴィエの想像から生まれた巨大な楽器を演奏していたのも印象的だった。

ショーの音楽を担当したミュージシャンのセバスチャン・テリエ

【関連記事】シャネルが新たな複合施設「Le19M 」で2021/22年 メティエダール コレクション ショーを発表

グザヴィエ・ヴェイヤン演出と調和するジオメトリックなスタイル

コレクションの冒頭は、ジャケットを合わせたシャネルらしいエレガントなパンツルックが多数登場。また、舞台演出と調和するように、繊細なジオメトリック柄の刺繍を施したドレスやジャケットスタイルが目を引いた。フリル、フリンジ、刺繍、レースなどのフェミニンなディテールが多用され、なかでも「シャネル」のパートナーであるアトリエ「ルサージュ」が手がけた、黒、白、コーラルのビーズによるカメリアの刺繍が全面に施されたドレスは、今回のコレクションを象徴するアイテムのひとつとして、リトル ブラック ジャケットと合わせて発表され、観客たちを魅了した。

ノルウェーの写真家オラ・リンダルの撮影による今回のコレクションを代表するルック。©️CHANEL-Ola Rindal

【関連記事】ファレル・ウィリアムスやヴァネッサ・パラディらセレブリティが集結!シャネルのメティエ ダール コレクション

クリエイティブな才能との交友によって生まれる新しい世界

かつてガブリエル・シャネルが、同時代の才能溢れる文筆家や芸術家と交友していたように、ヴィルジニー・ヴィアールもその精神を引き継ぎ、多くのアーティストやセレブリティたちと交友を行ない、自身が手がける「シャネル」のデザインをモダンに進化させ続けている。2022年春夏 オートクチュール コレクションのために集結したメゾンの友人、グザヴィエ・ヴェイヤン、セバスチャン・テリエ、シャルロット・カシラギの魅力をヴィルジニーが紹介し、それに対話する彼らのコメントを以下にご紹介。

左からグザヴィエ・ヴェイヤン、セバスチャン・テリエ、シャルロット・カシラギ、ヴィルジニー・ヴィアール

ヴィルジニー・ヴィアールが語るグザヴィエ・ヴェイヤン
「私はグザヴィエの作品、何より彼のストレートで遊び心に溢れた個性に心惹かれます。モビールやジオメトリックな形状を駆使する彼の作風は、構成主義を軸としており、カール ラガーフェルドの作風を思わせます。今回の舞台演出は、グラン パレで開催されたパリ万博の美学に目配せしているのです。より親密感のある散歩道のような舞台設定であり、とても自由な気分にさせてくれる、親近感のある環境にもなっています。グラン パレ エフェメールの屋内に浮かぶジオメトリックな形状や空気で膨らませたエレメントは、コントラストや軽快さ、新鮮さを求めたくなりました、漂うかのように浮遊する優美なドレスがまさにそれを象徴しています」

グザヴィエ・ヴェイヤン
「ヴィルジニーは当初より、コレクションショーの舞台演出家として私を招いた理由について、『ケーキの上のチェリー』のようなお飾り的存在ではなく、ショーの最初から最後まで全体を手掛けるアーティストとして参加してもらいたいのだ、と断言していました。舞台演出のスケッチを始めたころ、私は展覧会や展示会というフォーマット、とりわけ万国博覧会――グラン パレというガラスの器のなかに広がる小さな小宇宙や社会――を想起していました。今回の舞台は、ショーのあともリサイクル可能なサステナブルな素材でできた既存のポディウムで全体が構成されています。『ポスト デジタル』な環境を感じさせるものもどこかに盛り込みたかったので、ペンキを塗ったりカーペットを貼ったりする部分は最小限にしたいと主張し、そのとおりに実現しましたし、ランウェイは馬術競技のアリーナと同じ砂でつくりました。馬は私の世界観を代表するシンボルなのですが、私自身は馬に乗らないのですから、面白いものです!馬にまたがったシャルロットのイメージはとても気に入っています。馬と人がほとんどひとつになって動く姿は、フェミニンな力やエレガンスというコンセプトを体現しているからです」

ヴィルジニー・ヴィアールが語るセバスチャン・テリエ
「セバスチャンは私の旧友のひとりなのです。彼のエレガンス、感性が大好きですし、彼の音楽には心から感動します。彼はグザヴィエ・ヴェイヤンの友人でもあるので、グザヴィエがセバスチャンに新曲をいくつかつくってショーで演奏することを提案したのですが、実に名案だと思いました。セバスチャンは舞台の中央でゲストたちに囲まれながら、グザヴィエが彼のためにつくった巨大な楽器を演奏しました。そのため、このショーの舞台演出では音楽がとりわけ重要な役割を果たしているのです」

セバスチャン・テリエ
「ヴィルジニー・ヴィアールと知り合ったのは、ずいぶん前のことです。カール・ラガーフェルドから2014年春夏 オートクチュールのショーで演奏してくれないかという依頼があった、2014年のことだったと思います。あの時から、ヴィルジニーと私が会う機会が多くなり、友人同士になりました。ある時、ヴィルジニーと一緒にグザヴィエのアトリエにいくと、グザヴィエが描いた1枚目のスケッチを見せてくれました。大きな物体や巨大な飛行船はありましたが、乗る人や船室はありませんでした。その時に2人からショーのための新作を何曲か作曲してくれないかと頼まれたので、家に帰ると、すぐに最初の1曲を書き、翌日にさらに3曲つくったのです!2人が一緒につくりあげている世界観から、たくさんの着想を得ました。これ以上ないすばらしいトリオです。なぜなら、お互いに能力を証明する必要もないくらい分かりあっている上に、三者三様の才能があって、お互いを尊敬しあっているからです。この関係が、クリエイティビティを発揮するすばらしい場となります。加えて、ヴィルジニーには、音楽に対する本能的なセンスがあります。彼女は心で音楽を聴く人なのです」

ヴィルジニー・ヴィアールが語るシャルロット・カシラギ
「シャルロットは熟練した馬術家で、ガブリエル シャネルがそうであったように、乗馬に対して強い情熱をもっています。それも、ショーの幕開けに馬にまたがったシャルロットに登場してもらった理由です。彼女はジャージー素材の乗馬用のパンツと私物の乗馬用ブーツの上に黒のツイードとシークインのシャネルのジャケットを纏いました。私は彼女がもつエレガンス、そして、オートクチュールの洗練とある種の生まれつきの簡素な美のコントラストに惹かれます。彼女は、自分自身の世界をしっかりともちながら、シャネルの魅力(アリュール)の本質をそのままに、自然に体現しています」

シャルロット・カシラギ
「小さいころからずっと、私にとって乗馬は情熱のひとつでした。説明するのは難しいのですが、乗馬は自然と代々受け継がれてきたものでもあるのです。私の母は、ずっと昔から、よく馬に乗っていました。私は馬が大好きですが、馬場の雰囲気、におい、乗馬の道具にも魅了されているのです。成長するにつれ、馬に乗るということは、自身の怖れ、馬術競技への挑戦、競技のスリルに向き合うことになっていきました。シャネルと馬術の世界に関して私の興味をそそるのは、乗馬用の衣装がガブリエル・シャネルの人生や彼女のファッションの創造活動において果たした重要な役割です。彼女もまた、乗馬に情熱を注ぎました。彼女の最初の恋人であるエティエンヌ・バルサンは騎兵将校であり、競走馬やポロ競技用の馬も所有していました。彼女はよく馬に乗り、女性が馬に乗りやすく、しかも馬術という競技にも完璧に適した洋服をつくりたいと考えました。今回のショーに際して、ヴィルジニー・ヴィアールは私のために黒のツイードとシークインのシンプルなジャケットをデザインしてくれました。まさにシャネルのアイデンティティを雄弁に語るアイテムです。壮麗なボタンのついた非の打ち所のないテーラーメイドでありながら、とても控えめで上品でもあるのです」

【関連記事】初のハイジュエリー発表から90周年を記念したシャネルの「コレクション 1932」

お問い合わせ先

シャネル カスタマーケア/0120-525-519

関連情報

リンクを
コピーしました