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リアルショーでの発表に活気づく 2022春夏パリ・オートクチュールコレクション

Dior ©Imaxtree

2022年1月に発表されたパリ オートクチュールコレクション。フィジカルショーならではの魅力をパリ現地からお届け。

2022年春夏パリ・オートクチュールコレクションが1月24日から27日まで行われました。オミクロン株の感染が止まらないパリでしたが、取材のため2年ぶりに渡仏。公式日程29ブランドのうち、半数以上がデジタルではなくリアルショーの開催です。コレクションにはインビテーションの他、EUで認められたワクチン証明書を持参して入場します。

 「シャネル」のショーでは、さらに24時間以内のPCR検査の陰性証明が必要でした。会場は「グラン・パレ・エフェメール」。入り口では高性能のマスクを渡されます。今までの3分の1ほどのスペースにゆったりと客席が並んでいます。

©Imaxtree

 グザヴィエ・ヴェイヤンによる演出で、セバスチャン・テリエが巨大な楽器を演奏する中、シャルロット・カシラギが馬に乗って登場しました。コレクションは、ウエストをシェイプしたロングジャケットにパンツのツィードスーツからスタート。後半はフリルやフリンジなど軽快なディテールを入れたドレスが並びます。アイコンのカメリア刺しゅうを施したドレスはミドリフジャケットと合わせ、甘すぎないフェミニンさがモダンです。

 「ディオール」は、歴史あるメゾンが持つ「サヴォワールフェール」(ノウハウと手技)をアピールする「刺しゅう」によるドレスを並べました。バージャケットのスーツの足元には立体的な刺しゅうを施したタイツを合わせ、軽やかなエレガンスを打ち出しています。全身刺しゅうのボディスーツは、健康的なボディを強調する今年らしいアイテムで新鮮です。モノトーンを中心としたコレクションは、デザインはシンプルですが手技が込められた上質なエレガンスを打ち出しています。会場も壁一面刺しゅうによる職人たちによるインド芸術です。またこの期間、顧客のためのハイジュエリーの新作プレゼンテーションが行われ、コレクションを活気づけました。

 「ゴルチエ・パリ」は先シーズンの「サカイ」に続き若手デザイナーを起用する第2弾として、グレン・マーティンスによるコレクションを発表しました。ゴルチエのアイコンであるコルセットのボディにこだわるAラインドレスは流れるように美しく、シルクタフタのボリュームドレスはオブジェのようにダイナミックです。ストリートブランドの人気デザイナーによる挑戦は新しいクチュールの世界を広げ、今後のマーティンスの活躍も楽しみです。

 オートクチュールコレクションの前夜、ピーター・ミュリエによる「アライア」の2022年夏秋コレクションがメゾンのギャラリーで披露されました。アズディン・アライアが 2017年急逝した後デザインチームが引き継いでいましたが、先シーズン、ピーターがクリエイティブ・ディレクターに就任し、2シーズン目のコレクションです。80年代、一世を風靡した「アライア」のボディコンシャスのラインを引継ぎながら、モダンなマーメイドスタイルを並べました。

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text: Terumi Hagiwara

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