パリ・ファッションウィーク期間中、フランスの老舗レザーブランド「Le Tanneur(ル・タヌア)」の展示会が開催された。
会場では、ブランドの歴史を感じさせるレザーバッグから、柔らかいフォルムのトート、スエードを使ったモデルなど幅広いラインナップが紹介されていた。実際に手に取り見てみると、革本来の美しさや細部へのこだわりを大切にしているブランドであることがわかる。
なかでも印象的だったのは、一般的なスエードとは異なる、耐久性を意識した上質な素材を生かしたバッグだ。使い込むほどに味がでて、革ならではの風合いが楽しめる。また、端材を活用したチャームも展開されており、素材を余すことなく生かす姿勢も感じた。
クロコダイル型押しが施されたスエードが特徴の、今秋の新作コレクション JULIETTE
「老舗」という言葉から想像できるクラシカルなバッグばかりではない。体に馴染(なじ)むように設計されたバッグ、丸みを帯びたフォルム、2way仕様など、現代のライフスタイルに合うデザインも多い。
「機能性を求めすぎるとデザイン性が崩れるので、2way程度で展開している」
そう説明してくれたのは、同社広報の安河内氏。便利さだけでなく、バッグとしての美しさのバランスを大切にする考え方にも、ル・タヌアらしさが表れている。

ル・タヌアの歴史は1世紀を越える。ブランドが誕生したのは1898年。シャルル・ボナールデルとフランシスク・ボルネックスの出会いから始まった。創業時に生み出した、縫製を使わずに仕立てる革財布「Sans Couture」は今でもブランドを象徴している。1900年のパリ万国博覧会では銀賞を受賞し、ル・タヌアの名を広めるきっかけにもなった。その後、2023年にはブランド創業125周年を迎え、パリのショールーム内に歴史を紹介する博物館を開設した。長い歴史とともに受け継がれてきた伝統を保存していく姿勢だけでなく、現代の生活に合う形へ進化を続けている。
そのル・タヌアが日本での展開を本格化する。
text: Shun Tanaka