クリエイティブ・ディレクターのピエールパオロ・ピッチョーリが初めて手がけた「バレンシアガ」のクチュール。メゾンとしては55回目のオートクチュールコレクションとなる今季は、創業者クリストバル・バレンシアガの服を表層的に再現するのではなく、その根底にある原則や思想を現代に問い直した。テーマの核に据えたのは、メゾンの意味そのものを形づくる“クチュールの本質”。
Courtesy of Balenciaga
Courtesy of Balenciaga
Courtesy of Balenciagaジョルジオ・アルマーニのレガシーを継承するシルヴァーナ・アルマーニが、「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」で手がける2作目。テーマの「ブドワール」とは、女性の寝室や化粧室に隣接する私室のこと。外の世界から一歩離れ、何をまとうかを選びながら、自身の感性と静かに向き合う空間だ。
Courtesy of Giorgio Armani
シルヴァーナはその親密な時間を、見せることと隠すことの間に生まれる静かな誘惑として表現。マスキュリンなジャケットから彫刻的なイブニングガウンへと移ろう構成には、端正さとしなやかさ、自然さと実験性が同居する。トラウザーを軸に繊細なレースやシアー素材を重ね、クチュールをよりパーソナルな装いへと引き寄せた。
Courtesy of Giorgio Armani
ベルベットのマットな質感とストーンや刺しゅうのきらめきが溶け合い、デイとイブニングの境界も曖昧に。一見ブラックに映る色には、深いグリーン、ブラウン、アマランスレッド、ブルーが重なり、光の角度で複雑な表情を見せた。アニマリエモチーフも抑制されたトーンで浮かび上がる。創業者の美学を忠実に受け継ぎながら、女性の視点で官能性を静かに押し広げたコレクションだ。
Courtesy of Giorgio Armani