時代を超えて、旅する人を魅了してきた「リモワ」。 この夏、「ORIGINAL」コレクションに、光沢と奥行きのある 「インクブルー」が新たな定番カラーとして加わった。 そして本拠地ドイツで見えてきたのは、新しい取り組みの奥に息づく、 変わらないブランドの哲学だった。
ブランドを代表する「ORIGINAL」コレクションの新たな定番カラーとして登場した「インクブルー」。期間限定カラーの展開はあったもののシルバー・ブラック・チタニウムに続く定番カラーの追加は稀だ。アルミニウムならではの光沢感を持ちながら、深みのある落ち着いたカラーリングが魅力。

「旅は、私たちの視野を広げてくれる」。そう語るのは、F1を7度制したルイス・ハミルトン。5月、「リモワ」のものづくりを支える街・ケルンで開かれた旗艦店オープニングイベントに登場した。24カ国を転戦し、年間130回以上のフライトをこなす彼にとって、移動は日常そのものだ。
世界遺産・ケルン大聖堂のほど近くに構える旗艦店 。店内には、緑色のインコとスーツケースが頭上を舞うようなインスタレーションが広がる。ライン川に架かる橋から着想を得たライトグリーンが空間を軽やかに彩り、街の落ち着いた佇まいと心地よいコントラストを描いていた。
オープニングに合わせて発表されたのが、ケルンストア限定のオーダーメイドプログラム「Crafted for You」。“Classic”シリーズを対象に、サイズやレザーのカラー、ライニングなど100万通り以上の組み合わせの中から、自分だけの一点を仕立てることができる。「音楽が好きで、旅には必ずスピーカーを持って行く」というハミルトンがオーダーしたのは、特注のレコードケース。ハンドルには鮮やかなレッドレザーを合わせた。
店内には1898年から続くブランドの歩みを物語るアーカイブピースも並ぶ。創業以来変わらない「旅する人に寄り添う」という思想は、「Crafted for You」にも自然と受け継がれていた。
一方、クリエイティブの街・ベルリンでは、「RIMOWA Design Prize」の授賞式が開催された。ドイツの大学で学ぶ若手デザイナーを対象に、「モビリティ」をテーマとしたアイデアを競うアワード。セミファイナリスト には、第一線で活躍するデザイナーやクリエイターによるメンタリングが提供される。
初期選考を通過した21組のセミファイナリストには、第一線で活躍するデザイン関係者らがメンターとして伴走した
「モビリティ」と一口に言っても、学生たちの発想は多彩だ。7組のファイナリストから最優秀賞に選ばれたのは、サミュエル・ナーゲルとパウル・ファイラーによる、ろう者と健聴者のコミュニケーションをさりげなく支援するブレスレット「NURA」。手話を音声へ、音声を触覚表示へと変換する技術を、ミニマルなデザインのアクセサリーへと昇華させた。「リモワ」によれば、機能性や実用性も重要な評価基準だという。
一見すると「リモワ」の製品分野とは距離のあるプロジェクトも少なくない。それでも「リモワ」が真剣にこのアワードに取り組むのは、次世代の才能を育み、よりよい社会づくりへ貢献したいという思いがあるからだ。工業デザインで社会をより良くする──。エンジニアリング大国ドイツが育んできた思想が、「リモワ」や審査員、学生たちの言葉の端々に表れていた。
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リモワ クライアントサービス 03-6733-9850
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©︎marie claire/photos: ©RIMOWA / text: Shunya Namba