独創的なものづくりは楽しい 【マリ・クレール エディターのパリコレ日記⑥】

Fashion

2026.05.30

独創的なものづくりは楽しい 【マリ・クレール エディターのパリコレ日記⑥】
2026~27年秋冬のパリ・ファッションウィーク(パリコレ)が3月2日から10日まで開催されました。期間中、パリ市内各所でショーや展示会なども行われました。ファッションだけでなく、街で見かけた様々なモノやコトをつれづれなるままにつづります。
Index

エルメスの展示会

 ラコステ

アクリス


エルメスの展示会

エルメスはいつもショーのre-seeとともに、小物類の新作も披露されます。こちらは、エルメスのデザインが暮らしを豊かにする楽しさやウィットを独創的に表現しているという点でも見るのがとても楽しみです。


印象に残ったものの一部をここでご紹介。ラジカセ型のバッグ。面白い!


子供関連の製品も楽しい。子供がうれしいと思う以上に、大人も欲しくなるデザイン。


さらには卓球台にバスケットボールのゴールネット。「エルメスはここまでやるか」と毎回感心してしまうものがあります。

こういうものを作ってみようという発想がすごいし、製品化するのも見事です。

 ラコステ


ラコステの会場はローラン・ギャロス。テニスの全仏オープンが開催される場所です。いくつものテニスコートがあるのですが、今回はフィリップ・シャトリエ・コートが舞台です。

会場に足を踏み入れると、会場は茶色のシートで覆われていました。


今回のコレクションは、かつて実在した「雨に包まれた伝説の一戦」を再構築、とのことでした。

その「伝説の一戦とは」。1923年7月31日、ドーヴィルで開催されたデビスカップの一戦で、ルネ・ラコステはスペインのトッププレイヤー、マヌエル・デ・ゴマールと対戦。豪雨により芝生のコートは冠水し、観客たちは乾燥を早めるために新聞紙を投げ入れたのだそうです。選手や観衆は傘を差し、トレンチコートやポンチョ、レインコート、ラバーブーツを着て豪雨を耐え抜いたのだとか。試合は2日間に及び、最終的にラコステは勝利し、フランスを決勝絵と導いたのだそうです。

こうした出来事と、そこに宿る記憶が着想源となったコレクションは、アウターウェアが進化。トレンチコートやポンチョなどはデザインとともに防水性や最新の素材などを使って、様々な気候の変化にも対応できそう。






また今回は1824年創業のスコットランドの老舗アウターウェアブランド「マッキントッシュ」とのカプセルコレクションも展開していました。伝統と機能性とラコステのDNAが未来へとつながっていきます。

アクリス

クリエイティブ・ディレクターのアルベルト・クリームラーが、コロンビアのテキスタイルアーティストであるオルガ・デ・アマラルからインスピレーションを受けて展開するコレクション。

オルガ・デ・アマラルは半世紀以上にわたり、織りの可能性を彫刻、絵画、インスタレーションの領域にまで広げてきたアーティスト。素材を織り、結び、編み上げといったさまざまな手法を使いながら、光を帯びた精緻(せいち)で存在感のある造形を創りあげています。




アクリスの新作もそんな彼女から着想を得て、ゴールドを使って様々な表情を見せる一連の服から、鮮やかなピンク、グリーン、ブルーなどに展開していきます。




シンプルなデザインだけに素材の持ち味までもが伝わってくる服の数々。自然の光が入ってくる会場だからこそ感じられる色彩の美しさと素材感でした。

text : Izumi Miyachi

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