素材への飽くなき探求で知られるイタリア発のラグジュアリーメゾン「ロロ・ピアーナ」が世界最高峰のメリノウール生産者を讃えるため1997年に創設した「ロロ・ピアーナ・レコード・ベイル賞」。第27回を迎えたこの賞の授賞式が、今春、東京で開催された。

人の髪の毛の太さは、およそ70ミクロン。「ロロ・ピアーナ」が今年、世界最高品質として認めたウールはなんと10ミクロン台だ。繊維の細さが最初の記録から30%以上も向上しているのは、ひとえにブリーダーたちの長年の献身と努力があるからこそ。オーストラリアとニュージーランドでも参加資格を満たせる牧場はわずかで、想像を絶する細さのウールを90kg以上生産する、その条件自体がすでに難関なのだ。
今年の授賞式とガラディナーは、4月1日、東京国立博物館・表慶館で開かれた。明治期の面影を残す石造りの空間に、建築家、バレリーナ、工芸家、アート関係者など各界のゲストが集い、遠い南半球の牧草地で生まれた素晴らしい素材に賛辞を贈った。2025年の受賞はオーストラリアのピレニーズ・パーク牧場と、ニュージーランドのアーンズクルー牧場の2牧場。受賞した原毛は唯一無二のウェアに仕立てられ、限られた特別な顧客のみに提供される。また、コンテストに出品されたすべてのベイル(ウールの原毛を収納する袋)は「ロロ・ピアーナ」が買い取り、「ザ・ギフト・オブ・キングス®」のウェアとして生まれ変わる。スペイン王室が同盟を結ぶため、メリノ羊のつがいを他国の君主に贈っていた伝統に由来するその名の通り、軽く、しなやかで、体温に寄り添う素材だ。重量の最大35%の水分を吸収するため、肌触りがさらりとしているのも特徴だ。
最高の遺伝子を持つメリノ羊と飼育に適した環境という2つの大きな強みを持つ国がオーストラリアとニュージーランド。それらを武器に、この地域のブリーダーたちは、最高品質の羊毛の生産に長年、注力をしてきた。その中でも「ロロ・ピアーナ・レコード・ベイル賞」の参加条件を満たす牧場はごくわずか。
今回「ロロ・ピアーナ・レコード・ベイル賞」を受賞したオーストラリアのピレニーズ・パーク牧場は、10.4ミクロンのメリノウール繊維を92kg生産。ニュージーランドのアーンズクルー牧場は、11.2ミクロンのメリノウール繊維を91kg生産した。ピレニーズ・パーク牧場は2023年に10.2ミクロンという驚異的な細さで世界記録を樹立している

「ロロ・ピアーナ・レコード・ベイル賞」を受賞した原毛は特別なウェアに仕立てられ、最も目の肥えた愛好家のみに提供される。ウェアのラベルには採取された年、原産地、繊維のミクロンなどのトレーサビリティが記録される。「レコード・ベイル賞」は世界最高品質のウールを調達するというメゾンの情熱と献身の証だ

お問い合わせ先
ロロ・ピアーナ ジャパン tel: 03-5579-5182 www.loropiana.com
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©︎marie claire/text: Tomoko Kawakami
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