英国生まれのトラベルケースブランド、「グローブ・トロッター」のCEOダビデ・トラクスラーが来日。 顧客の旅に寄り添う姿勢とともに、修理を前提としたものづくりやビスポークの魅力、 そして“旅とともに生き、育つラゲージ”という哲学について語った。
2025年に「グローブ・トロッター」のCEOに就任したダビデ・トラクスラー。今回の来日の理由について、こう語る。「何よりも実際に足を運び、チームやお客様と直接会うことが重要。今の時代、人と人とが顔を合わせ、語り合うことがとても大切だと思っています。ラグジュアリーは本質的にパーソナルであるべきもの。その感覚を自分の目で感じ取りたいのです。もう一つの来日の理由は、単純に日本が大好きだからです」

1897年に英国で創業した「グローブ・トロッター」は、旅の文化の発展とともに歩んできたトラベルケースブランド。「栄華を極めた大英帝国の時代。その記憶は今も修理のために戻ってくるケースの中に残っている。ケニアやインドから古いトランクが届くことも。長い歴史を実感します」。ブランドの核にあるのは、軽さや機能性だけではない。「我々の魅力は耐久性、そして何度でも修理が可能であること。修理を重ねながら長く愛用していただける点が、プラスチック製のスーツケースとは決定的に異なる。実際、1963年に購入されたケースが今も修理に戻ってくることもあります。長年同じトランクと旅をするお客様を見ると非常に感動します」
「グローブ・トロッター」のケースの素材であるヴァルカン・ファイバーは、紙を圧縮し、熱を加えて加工する独自の工程で生まれるものであり、英国での手作業による組み立てとグローバルな素材調達によって完成する。「長く使えること自体がサステナブル。美しさと機能性、さらにお客様と共に時間を重ねる価値を備えた存在だと考えています」

近年、特に増えているのがビスポークの依頼だそう。「スキー用トランクや、愛する本を収納するためのケース、LPレコード専用トランクなど、非常に多様な注文がある。お客様にとって大切なものを運ぶために使う特別なケースです」。そして、顧客の人生や記憶に寄り添うプロダクトであることこそが、このブランドの本質なのだ、とも。
好評を得ている「エルメス」など、他ブランドやクリエーターとのコラボレーションについては、「自分たちが持っていないものを持つ相手を選びます。若いブランドや異なる文化との出会いは、私たちに新しい視点を与え、成長させてくれるから」と積極的に取り組んでいる。伝統ある英国ブランドでありながら、異文化との交差を積極的に受け入れる姿勢は、ラグジュアリービジネスのこれからを示唆しているようだ。「ラゲージや時計などは、長く使われ、時間とともに価値を深めていくものです。我々のラゲージは旅の道具ではなく、人とともに旅をし、記憶を重ね、修理をしながら生き続ける存在なのです」。その発想こそが、世代を超えて愛される理由なのだろう。

創立100周年を記念して1997年に誕生すると、たちまち世界中を席巻。「グローブ・トロッター」のアイコンとなった“センテナリー・コレクション”。1910年のデザインを再解釈したスーツケースは、伝統を受け継ぎながらも現代にふさわしい佇まい。

ブランドのシグネチャーであるヴァルカン・ファイバーとレザーに、アルミニウムフレームを組み合わせた革新的な構造が特徴の“メトロポリス・コレクション”。都会派の旅人にふさわしいスマートで軽量な1点。

タイムレスでありながら現代的な“サファリ・コレクション”のラージチェックインケース。ナチュラルカラーのワントーンでまとめた上品でエレガントな新作は注目。

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グローブ・トロッター銀座 tel:03-6161-1897
関連情報【雑誌『marie claire』のPDFマガジンダウンロードページ】
©︎marie claire/photos: ©GLOBE-TROTTER / text: Tomoko Kawakami
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