手前が尾形光琳の「風神雷神図屏風」。左奥が「群鶴図屏風」(フリーア美術館が原本所有)、その右隣にちらりと見えるのが「松島図屏風」。右側に映っているのが「平家物語 一の谷・屋島合戦図屏風」(大英博物館が原本所有)(撮影・高橋直彦)

実はデジタル技術を駆使した美術作品の複製に様々な企業が取り組んでいる。会期は8月28日までだが、東京・西新宿のNTTインターコミュニケーション・センターで、スペイン・マドリードのソフィア王妃芸術センターにあるピカソの「ゲルニカ」(1937)が8Kの高精細映像で実物大で再現されいている。横7.8メートル、高さ4.05メートルのモニターに映し出されたゲルニカは、デジタル映像だと分かっていても息を飲む迫力だ。そろそろ、ベンヤミンが20世紀前半に提唱した「アウラ」についての概念を、21世紀前半のデジタル時代に相応しくアップデートするべき時期にさしかかっているのかもしれない。
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高橋直彦
『マリ・クレール』副編集長。個人的な好みは「納涼図屏風」。トーハクで何度か実物を観ているが、元々鈍感なので今回の展示作品と見分けがつかない。こんな老後を送りたい! 他の屏風に比べると小ぶりなので、いっそのこと手許に置いておけないかと妄想したりもするのだが……。