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蜷川実花の新たなる世界!「瞬く光の庭」展が東京都庭園美術館にて開催中

蝶になった気分で巡る

©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
蜷川実花
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

今回の「瞬く光の庭」展は、蜷川実花の新しい章の幕開けを意味する展覧会だ。その展覧会のテーマは「光」。蜷川が強く惹かれているという“光”に満ち溢れた柔らかな色調を“光彩色”(こうさいしょく)と表現。まるで、夢かと見間違うような現実の世界の“一瞬”を映し出す写真や、ダイナミックな映像インスタレーションから、蜷川の新たなる世界を感じ取ることができる。アール・デコ様式で装飾された建物に、蜷川の作品を重ねることで、様々な時間の交差する場を作り出している。植物から植物へあたかも蝶のように回遊しながら、蜷川自身が追いかけたまなざしを追体験できる貴重な機会だ。

初めてのチーム編成で作成した映像インスタレーションへの思い

『胡蝶のめぐる季節』をテーマにした映像作品は、四季のうつろいを蝶とともに追いかけるような構成となって、来場者の影が映像に入り込むことで、作品の世界に包み込まれるような体感が得られる仕組みだ。

蜷川実花
「富山県美術館開館5 周年記念 蜷川実花展」(2022)会場風景
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
蜷川実花
「富山県美術館開館5 周年記念 蜷川実花展」(2022)会場風景
©mika ninagawa, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

この映像を初めてチームで作り上げた蜷川は、「『胡蝶のめぐる季節』というタイトルで蝶が四季を巡って、そしてまた春に戻ってくるというコンセプトです。これは、本展監修・映像作品プロデューサーで慶應義塾大学教授の宮田裕章先生と一緒にコンセプトを考えてチームで制作をしました。映画制作ではチームを組んで活動をしますが、自分の作品を作るときに、チームを組んで活動するということが少なかったので、新しい試みでした。それが今回の作品のパワーになっていると思います。面白いのは、見ている人の影が映像に入り込み一体となることで初めて完成されるということです。ぜひ、映像と一体となる体験をして欲しいと思います」とインスタレーション作品への熱い思いを寄せた。

蜷川実花

希望を感じさせる暖かな光と優しい色調の蜷川実花“新章”。唯一無二の建築空間と、蜷川の作品とのコラボレーションが描くロマンティックな雰囲気をたっぷりと味わって。

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text:Miyuki Kikuchi

「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会期:〜9月4日(日)まで 会場:東京都庭園美術館 住所:東京都港区白金台5-21-9 開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで) ・オンラインによる事前予約制。チケット販売に関する最新情報は、下記のサイトよりご確認ください https://www.mikaninagawa-flickeringlight.com

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