(右より)歌舞伎座「七月大歌舞伎」第一部『當世流小栗判官』の市川猿之助、第二部『夏祭浪花鑑』の市川海老蔵、第三部『風の谷のナウシカ』の尾上菊之助

第二部で上演されているのは『夏祭浪花鑑』と『雪月花三景』の2作。
そのうち成田屋(市川團十郎家の屋号)ゆかりの新歌舞伎十八番のひとつである『雪月花三景』は、高倉天皇と小督局の悲恋を支える帝の忠臣・源仲国(市川海老蔵)が、虫の精や胡蝶の精とともに五穀豊穣や天下泰平を祈念する旅に出る華やかな舞踊劇だ。本作で、親子三人揃っての歌舞伎座本公演出演を果たしたのが、十一代目市川海老蔵、市川ぼたん、堀越勸玄(ほりこし かんげん)である。

ぼたんちゃんは海老蔵の長女として2011年に生まれ、現在10歳。2019年に日本舞踊市川流の名跡・四代目市川ぼたんを襲名した。幼いながら数々の舞台で経験を積む一方、父・海老蔵主演の『桶狭間 OKEHAZAMA〜織田信長 覇王の誕生〜』(2021年、フジテレビ)や『二月の勝者−絶対合格の教室−』(2021年、日本テレビ)といったテレビドラマに出演。アニメ映画『DC がんばれ!スーパーペット』(2022年)で声優デビューも果たした。

一方、勸玄くんは2013年3月生まれの9歳。2016年の「吉例顔見世大歌舞伎」で初お目見得し、今年11月に八代目市川新之助の襲名・初舞台が控えている。2020年に予定されていた襲名がコロナ禍のために延期となったが、それを乗り越えて改めての襲名を間近に控え、“やる気スイッチ”が入っているという彼。「堀越勸玄」の名前で舞台に立つ姿は今回が見納めで、将来の大名跡を継ぐ役者の貴重な瞬間を目撃できる機会といえる。

ぼたんちゃんが歌舞伎座本公演の舞台に立つのは今回が初めて。海老蔵は「親子三人で本公演に出られるのが夢だった」と語り、「今後も三人で舞台に立ち続けられることを模索していきたい」と意気込みをのぞかせているだけに、必見の演目である。