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トーハク、集古館、そして民藝館……。初夏の東京で、沖縄の美を堪能し尽くす【what to do】

柳宗悦の想いが込められている「沖縄の美」

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沖縄が「美の宝庫」であることをいち早く主張した柳宗悦が館長を務めた日本民藝館(東京・駒場)でも6月23日から8月21日まで、「復帰50年記念 沖縄の美」展が開催される。戦前の沖縄行で積極的に蒐集した地域ごとに特色のある縞や絣の織物、技法や形態もさまざまな陶器や漆器、そして柳らが訪沖時に撮影した写真も紹介。色鮮やかな紅型の優品も見逃せない。「私たちのように伝統的な工藝品を求めて各地を歩いている者には、琉球の存在は誠に奇跡のようなものであった」と絶賛した柳。そういえば蒐集品はトーハクの「琉球」展でも展示されていた。彼の美意識で選び抜かれた琉球の逸品に間近に接することのできる好機でもある。

マーケティングとは無縁の健やかな美が宿る

白掛色絵梅竹文碗 壺屋 19世紀 7.3X13.5cm 日本民藝館蔵

ICTも駆使して消費者の嗜好に合わせて事細かにマーケティングされた衣類や雑貨に覆われた今、そうした周到な企てとは無縁の健やかな美しさが沖縄の品々には宿る。難しいことは考えず、上記の企画展に駆け付けよう。琉球の美のシャワーを浴びることで、あなたの中の何かがきっといい意味で変わるはず。今年の夏は東京で沖縄を全身で感じられる貴重な機会でもある。

Profile

高橋直彦

『マリ・クレール』副編集長。加齢と共に物欲は萎えつつあるが、芭蕉布の着物だけは生きているうちに是非羽織ってみたいと思う。独特の張り、風がすっと抜ける軽やかさ、そして凜としたたたずまい……。恐らく最上級の贅沢とは、手仕事が凝縮された芭蕉布を纏った時のようなことを指すのだろう。果たして賃労働の身にも買えるのか? 関係者に相場を聞いて、きっぱりと諦めることができた。桁が違った。パンデミック下で難しいとは思うが、着付け体験などのイベントを実施してもらえぬか。

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