現代アートの発信地「エスパス ルイ・ヴィトン」東京と大阪で大作の展覧会開催

ESPACE LOUIS VUITTON TOKYO
ギルバート&ジョージ
「Class War, Militant, Gateway」

英国現代アート・ユニットによる迫力の3連作

「エスパス ルイ・ヴィトン東京」は、ギルバート＆ジョージによる大型の3連作「Class War, Militant, Gateway（階級闘争、闘争家、入り口）」（1986年）を日本で初めて展示。会場には10mを超える作品を中央に、3連画が取り囲むように配置され、息をのむような迫力に圧倒される。

ギルバート・プロッシュとジョージ・パスモアからなる現代アート・ユニット、ギルバート＆ジョージは、67年にロンドンのセント・マーチンズ・スクール・オブ・アートで出会い、ユニットを結成。スーツとネクタイ姿でパフォーマンスを行う作品で知られ、写真やコンピューターグラフィックも使用したさまざまな作品を制作している。

今回の展示作品は「共同体への所属から、個人的良心や自己肯定の出現まで、個人の冒険を描いた」という彼らの代表作。黒枠の格子状にイメージを配置し、赤、白、青の色で構成。青い仕事着の人物は、階級社会が民主的に調和したことを表現している。彼らにとって初の大作が観られる、この貴重な作品展をお見逃しなく。

ESPACE LOUIS VUITTON OSAKA
ゲルハルト・リヒター
「Abstrakt」

初公開作品も登場するドイツの巨匠の抽象画展

今年の2月にオープンした「エスパス ルイ・ヴィトン大阪」の2回目の展覧会として開催されているのが、現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒターの抽象画を紹介する「Abstrakt」展。本展では、「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」のコレクションから、18点の抽象作品を選び出し、長年にわたるリヒターの創作活動を辿る。

ドイツのノイシュタットに生まれたゲルハルト・リヒターは、初期の頃から新聞、雑誌の写真や自身で撮った写真を描き写す作品を発表し、並行して、カラフルなグリッドやアクションペインティング、モノクロームを組み合わせた抽象画を生み出してきた。本展は、写真にペイントを施した「Overpaint」シリーズや、鮮やかな色彩が特徴の油彩画、デジタル技術を駆使した「Strip」シリーズなど多彩な作品が揃う。今回が初公開となるアブストラクト・ペインティングの2作品も登場している。来年は、日本で大規模個展が予定されているリヒター。その前に、この「Abstrakt」展で、現代屈指の画家のアイコニックな作品の魅力をぜひ体感してほしい。