【日本公開決定!】話題作『NAZA ナザ』をはじめ、べネチア国際映画祭2026の受賞作を振り返る

Culture

2026.10.07

【日本公開決定!】話題作『NAZA ナザ』をはじめ、べネチア国際映画祭2026の受賞作を振り返る

AP/アフロ

塚本晋也監督の『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』が、独立賞のひとつ「レオンチーノ・ドーロ賞」に輝き、日本でも話題を呼んだ第83回ベネチア国際映画祭。25分間に及ぶスタンディングオベーションを浴び、審査員特別賞を受賞したドキュメンタリー『NAZA ナザ』の日本公開が異例のスピードで決まったことも、注目を集めている。そんな今年の映画祭で、最高賞の金獅子賞を手にしたのは? 主要な受賞結果を振り返る。マリ・クレール インターナショナルのギリシャ版デジタル記事より、一部編集してお届け。
Index

ベネチア国際映画祭2026:『Woman Unknown』が金獅子賞に輝く!

・メイ・エル=トゥーキーに金獅子賞

・金獅子賞を競った作品の中で、フィクション映画では唯一の女性監督

『もしもの愛』に銀獅子賞・審査員大賞

『NAZA ナザ』に審査員特別賞

イリヤ・フルジャノフスキーに銀獅子賞・監督賞

ジョン・マルコヴィッチにヴォルピ杯

ギリシャ勢の受賞:ジャクリーン・レンツオが2冠

『Our Share of Sand』にも2つの栄誉


ベネチア国際映画祭2026:『Woman Unknown』が金獅子賞に輝く!

2026年9月2~12日(現地時間)、イタリア・リド島で開催された第83回ベネチア国際映画祭でメイ・エル=トゥーキー監督が最高賞の金獅子賞を獲得。ジャクリーン・レンツオ監督やギリシャ合作映画『Our Share of Sand(原題)』も受賞を果たした。

この投稿をInstagramで見る

La Biennale di Venezia(@labiennale)がシェアした投稿


メイ・エル=トゥーキー監督の『Woman Unknown(英題)』が、この映画祭最大の勝者となり、作品賞にあたる金獅子賞を獲得したほか、主演のマティルド・アーセルが最優秀女優賞にあたるヴォルピ杯に輝いた。

この投稿をInstagramで見る

zuma communications(@zuma_communications)がシェアした投稿


今回の映画祭ではギリシャ勢の活躍も目立ち、37歳の映画監督兼脚本家ジャクリーン・レンツオが、『A day in the life of Jo: Chapter Phaedra(英題)』で、革新的な作品に焦点を当てるオリゾンティ部門の監督賞と、映画祭とは別の団体が出品作を対象に選出する独立賞のひとつ「Edipo Re Award」を受賞。また映画プロデューサー、ヨルゴス・カルナバスが共同プロデューサーとして参加した『Our Share of Sand(原題)』も賞に輝いた。

メイ・エル=トゥーキーに金獅子賞

デンマーク、スウェーデン、ラトビアの合作による歴史ドラマ映画『Woman Unknown』は、観客と批評家の双方から高い支持を得て、公式コンペティション部門でひときわ注目を集めた作品となった。本作は作品賞の金獅子賞に加え、主演のマティルド・アーセルがこの映画祭のまた別の主要賞であるヴォルピ杯を受賞している。

この投稿をInstagramで見る

May el-Toukhy(@mayeltoukhyofficial)がシェアした投稿


映画祭の最高賞である金獅子賞を受け取ったメイ・エル=トゥーキー監督は、作品が扱うテーマについてとりわけ強調した。

「私個人にとって、『Woman Unknown』は、女性の身体が闘いの場であり、社会問題でもあることを描いた作品です」と彼女は語り、さらにこの映画は「存在を認識されず、目を向けられることもなく、声を持たない」女性たちを描いていると付け加えた。

この投稿をInstagramで見る

IndieWire(@indiewire)がシェアした投稿


物語の舞台は第2次世界大戦後で、裕福な雇い主との結婚を控えた、若いデンマーク人の家政婦を中心に展開する。しかし、彼女の未来はかつてドイツ兵と関係を持っていた過去が再び浮上したことで、脅かされることになる。

金獅子賞を競った作品の中で、フィクション映画では唯一の女性監督

公式コンペティション部門に出品された21作品のうち、フィクション作品を手がけた女性監督はエル=トゥーキー監督だけだったことから、彼女の快挙はさらに大きな意味を持つ。

この投稿をInstagramで見る

La Biennale di Venezia(@labiennale)がシェアした投稿


コンペティション部門でもう1作品、女性が監督を務めているのはドキュメンタリー映画『NAZA ナザ』(2026年10月24日より日本公開)で、ラヘル・ショール監督がジャーナリストのユヴァル・アブラハムと共同監督を務めている。

この投稿をInstagramで見る

Deadline(@deadline)がシェアした投稿


女性監督の少なさは、今回の映画祭の開幕当初から大きな議論を呼んだテーマのひとつだった。エル=トゥーキー監督自身も、映画業界の「構造的な問題」だと指摘し、彼女は映画学校を卒業してから初めて作品を撮るまでに6、7年かかったと明かした。

この投稿をInstagramで見る

Nordisk Film(@nordiskfilm)がシェアした投稿


「もちろん、コンペティション部門にもっと多くの女性の仲間がいてくれたらと思いました」と、彼女は『Woman Unknown』の記者会見で語っていた。彼女によれば、#MeToo以降、不平等に対する意識は高まったものの、ここ数年は以前の状況へ逆戻りする傾向が見られるという。「私たちはもっと改善していかなければなりません」と彼女は付け加えた。

『もしもの愛』に銀獅子賞・審査員大賞

銀獅子賞(審査員大賞)は、韓国のイ・チャンドン監督による『もしもの愛(英題:Possible Love)』に贈られた。同作は、イ・チャンドン監督にとって2018年の『バーニング 劇場版』以来となる長編映画である。また同作は、第91回アカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表作品に選出された映画でもある。

この投稿をInstagramで見る

Netflix Film(@netflixfilm)がシェアした投稿


急速なテクノロジーの変化が進む時代を背景に、労働、社会的疎外、人間の尊厳をテーマとし、2組の夫婦の物語と、職を失った労働者を追うドキュメンタリーを結びつけて描いている。

この投稿をInstagramで見る

La Biennale di Venezia(@labiennale)がシェアした投稿


イ・チャンドン監督は作品の完成に尽力してくれた人々に感謝し、「これほど多くの人々が待ち、辛抱してくれなければ、この映画が世に出ることはなかったでしょう」と語った。

「仕事が失われ、人と人とのつながりが断たれていく時代に、映画には何ができるのか、映画は何をすべきなのかという問いを投げかけるために、この作品を作りました。皆さんからいただいたこの賞を、その問いをこれからも投げかけ続けるべきだというメッセージとして受け止めたいと思います」
Next Page

Tags:

Ranking

Horoscope