スイスのアーティストレジデンスに滞在した際の写真と日記。写されているのは、日々の暮らしの中で撮影した草花、部屋の光景、息子の姿。祖母が写した花の写真にインスパイアされた作品で、今は亡き祖母と花の写真を通して向き合う。時折、航空券やメモ書きなども挟み込まれ、スイスの空気と旅の記憶が綴じられているかのようだ。布の表紙には版によってさまざまな色のバリエーションがあり、プレゼントにもおすすめ。
『SWISS』長島有里枝ドイツの映画監督ヴィム・ヴェンダースがアメリカ、スペインを撮影。ヴィム・ヴェンダースは初期作品の『都会のアリス』『まわり道』『さすらい』のほか、代表作『パリ、テキサス』など数々のロードムービーを撮影してきた。この写真集では、人影のない道路、道沿いにふいに現れる看板、広大な荒野、そびえる都市の建造物など、移動しながら目に映る景色を切り取っていく。目的地を持たず、見知らぬ地を漂うような旅を追体験したい。
『FOTOGRAFÍA』ヴィム・ヴェンダース
Coleccion Imagen 5,500円(古書/税込)
イタリアのカラー写真界のパイオニア、ルイジ・ギッリ。ブーツに例えられるイタリア国土の「かかととピンヒール」に位置するプーリア州を撮影している。白壁と石畳が続く町並み、静かな室内、移動遊園地、日が沈んだ後の町の灯り、この地で暮らす子どもたち……。ルイジ・ギッリは1982年に初めてプーリア州を訪れてから、その後10年間、毎年足を運んだという。カラーフィルムの温かな色合いが南イタリアの光を感じさせ、町を散歩したい気持ちに。
『PUGLIA. TRA ALBE E TRAMONTI』ルイジ・ギッリ
MACK 16,500円(税込)
ファッションデザイナーの菊池武夫が「TAKEO KIKUCHI」を立ち上げた際のファーストコレクションを、植田正治が撮影。1983年に制作されたカタログが、2003年に写真集として復刻された。舞台は植田正治が撮り続けた場所、鳥取砂丘。砂と空が織りなす空間をスタジオに、緻密に演出されたモノクロ写真だ。幻想的で異世界に足を踏み入れたような感覚に。鳥取砂丘と植田正治写真美術館(鳥取県西伯郡伯耆町)を訪ねたくなる。
『TAKEO KIKUCHI COLLECTION AUTUMN AND WINTER '83-'84』植田正治
ART INTER-RELATIONS 11,000円(古書/税込)
鳥取砂丘を撮りに出かけた野口里佳が、到着してすぐに見つけた赤と白のパラシュート。ふわりと宙に浮いて地上に着地するまでのほんのひととき、まるで虹のように消えてしまう姿を写し取った一冊。パラシュートの浮遊感を表現するため、柔らかな紙に印刷され、ページをめくると繊細な作品世界に自然と入り込んでいく。植田正治作品とあわせて見ることで、鳥取砂丘のさまざまな表情、写真家の視点の違いを楽しめるだろう。
『虹』野口里佳
YAMADA Book Publishing 6,050円(税込)
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