監督:カン・ハヌルさんは、私がこれまで一緒に仕事をしたすべての俳優の中でも、最も頭がよくてセンスにあふれた俳優。特別なエピソードというよりは、すべてのシーンを褒めたいくらいです。
劇中でリーダー的な役割を担っていますが、実際の撮影現場でも他の俳優たちと気さくに話し合いながら、演技ではなく、本当の友人同士のような関係性を作り上げてくれたと思います。そのおかげで、私の演技指導だけでは生まれなかったリアルでコミカルなシーンを完成させることができました。

監督:楽しい現場だったので苦難というのは暑さくらいでしたが、印象に残っているエピソードは、劇中の友人たちの水遊びのシーンです。実際に休みの日に俳優たちが水遊びをしながらお互いにふざけている姿を見ていたところ、あまりにも面白かったので、スマートフォンで撮影して、俳優たちにも見せました。彼らもその映像を見ながらアドリブを加えて、水遊びのシーンを撮影しましたが、演技か本当に遊んでるのか区別がつかないほど愉快な撮影になったと思います。
──SNSなどが浸透したこともあり、現代は人間関係が希薄になっているとも言われている部分がありますが、本作のように長い時間を過ごしながら友情を築いていくキャラクターと向き合ったおふたりが人間関係を築くうえで大切にしていることがあれば、教えてください。
カン・ハヌル:人間関係において最も大事なことは、自分自身を見失わないことだと思います。自分で独り立ちができてこそ、人間関係の中でも楽しい時間を過ごせるのではないかと考えています。
そして、何より一番大切なのは、自分が何で幸せだと感じるのかを知ること。最近は、「将来のために投資する時間」という意味が大きくなったことによって、人間関係も難しくなっていますが、私はそれよりもいま最も楽しいことを探すのが先だと考えています。そして、それを楽しめる人と一緒に過ごす時間が、良い人間関係へと繋(つな)がっていくのです。
監督:それぞれ置かれている現実の中で忙しかったり、さまざまな事情があったりすると思います。ただ、大切な人とはたまにでも直接会うことが、いまの時代だからこそより重要ではないかなと。もしこの映画を楽しく見てくださった方がいたら、「また今度にしよう」と先延ばしにせず、大事な人に連絡してみるのもいいのではないでしょうか。

カン・ハヌル:うーん... ありませんね(笑)、友達に会うと、ただ笑って騒いでいるだけです。
──日本でもファンミーティングを開催されていますが、日本で一緒に仕事をしてみたい方や好きなものはありますか?
カン・ハヌル:私は好きな日本の映画とアニメーション、ゲームがたくさんあります。その中でも、新海誠さんや『SLAM DUNK』の井上先生とは、ぜひ一緒に写真を撮ってみたいです。それから、「龍が如くスタジオ」という日本のSEGA傘下のゲーム制作チームの皆さんとも、一度ご挨拶をしてみたいとずっと思っています。
──話題作にも次々と出演されていますが、仕事でプレッシャーを感じたときの対処法などもあれば、お聞かせください。
カン・ハヌル:プレッシャーを感じることは、あまりありません。どんな作品でも、よく探してみれば楽しめるところが必ずあるからです。たとえば、スタッフの中に面白い人がいるとか、小道具や脚本が興味深いとか。そんなふうに、私はどんなときでも楽しめることを追い求めて、見つけるようにしています。
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