今年で6年目となる「Peter Barakan’s Music Film Festival 2026」(ピーター・バラカン音楽映画祭)が、9月18日(金)から10月1日(木)まで東京・有楽町の角川シネマ有楽町で開催される。開催を前に、作品の選定にあたったピーター・バラカン氏自身がこの音楽映画祭の魅力を8月26日の夜、日本外国特派員協会で語った。

この映画祭は、日本で観る機会の少ない音楽映画を堀り起こし、音楽映画ファンに見てもらおうと毎年開催されているもの。大手配給会社がなかなか配給できない貴重な作品が今までも公開され、年を追うごとに充実した内容で、多くのファンの心をとらえている。上映される作品の中には、日本初公開のものもあり、音楽映画ファンにとっては見逃せないイベントになっている。
バラカン氏は「作品の選定にはいつものように、ある程度の紆余(うよ)曲折はあったが、面白いラインアップになったと思う。今回は思い切って日本初公開作品、また新たに上映権利を映画祭が取得した作品を10本紹介することになりました」と語った。また、公開済み作品や以前、映画祭で上映した作品のアンコール上映もあるという。
初回から映画祭開催のために情熱を注いできたバラカン氏は、開催期間中は映画の解説やゲストとの対談などで毎日会場に登場する予定。テレビのブロードキャスターとして、また音楽評論家、プロデュ―サーとして日本で50年近く活躍するバラカン氏は、一方で社会問題にも冷静な視線を向けてきた。その視点も作品選びに反映されているようだ。
ミュージシャン、アーティストの素顔や人生、音楽の生まれる瞬間や音楽の力が映画を通して表現されるとき、音楽はより深く、より近くに感じられるようになるもの。思い出の音楽、未知の音楽に出会う、またとない機会だ。
上映スケジュールは角川シネマ有楽町の公式サイトで発表されている。大阪ではシネ・ヌーヴォで11月3日~20日、愛知では伏見ミリオン座で11月20日~26日に開催される予定だ。

上映予定の映画はスウィングの黄金期にデビューしたエラ・フィッツジェラルドのキャリアを網羅した「エラ・フィッツジェラルド物語」、ブルースシンガーのビッグ・ママ・ソーントンに迫る「ビッグ・ママ・ソーントン 有りのまま」、スイスのモントルーで始まったジャズフェスティバルのドキュメンタリー「皆がモントルーにやってきた」、今年没後10年を迎えるリオン・ラッセルのドキュメンタリー「詩は裸の人 素顔のリオン・ラッセル」、ニューポート・フォーク・フェスティバルが様々なアーティストの登場で変化していった過程をたどる「ニューポート・フォーク・フェスティヴァルの夢」、キューバが生んだユニークなピアニスト、オマール・ソーサを題材にした「オマール・ソーサのピアノは打楽器である」、ビバップの初期に現れヨーロッパに移住したピアニストのバド・パウエルを扱った「BUD LIVES! バド・パウエルへのラヴ・レター」、そして「第19回ショパン国際ピアノコンクール映像選」が日本初公開される。
また、1971年にガーナの首都アクラで開催された音楽フェスティバルのドキュメンタリー「SOUL TO SOUL 魂の詩」、マイルス・デイヴィスの生涯を追ったドキュメンタリー「マイルス・デイヴィス クールの誕生」、ゴスペルミュージックの原形を作った人々のドキュメンタリー「マザー」、アイルランドの伝統音楽に伴奏という概念を持ち込んだドーナル・ラニーのドキュメンタリー「イン・タイム ドーナル・ラニー」も上映。
そのほか「1975年のケルン・コンサート」「キャロル・キング&ジェイムス・テイラー:ジャスト・コール・アウト・マイ・ネーム」「エリス&トム―ボサノヴァ名盤誕生秘話―」「Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto 4Kレストア版」「チャック・ベリー ブラウン・アイド・ハンサム・マン」がラインアップに並ぶ。「ブライアン・イーノのジェネラティブ・ドキュメンタリー Eno」「ジェイムス・ブッカー/愛すべきピアノ・ジャンキー」「七転八起の歌手 バーバラ・デイン」「ピアノフォルテ」のアンコール上映も決定した。
「Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto 4Kレストア版」では、坂本龍一と矢野顕子の連弾というとても貴重な映像も見られる。
text: Katsuto Tai