イギリスで最も影響力があり、型破りな現代アーティストの一人、リンダー・スターリング。彼女の日本初個展「Linder: Goddess of the Mind」が、6月25日より東京のシャネル・ネクサス・ホールで開催される。1970年代の英国パンクシーンに登場してから50年以上。写真同士を切り貼りするフォトモンタージュを用いて生み出されたリンダーの作品は、アートや文化において男性目線で表現されてきた女性像を捉え直し、新たな解釈を示した。
リンダー・スターリング
本展覧会では、成人向けグラビア誌に掲載された女性イメージにリンダーの手を加えることで、まったく新たな意味を宿したシリーズ「Pretty Girls」(1977年)や、45点のモノクロのポートレートに鮮やかな口紅を纏った口元を重ねることで、視線が持つ支配的な力と、女性像が社会によって構築され消費される存在であることを浮き彫りにした「The Principle of Totality」(2012年)など、彼女の革新的な創作を目の当たりにすることができる。このリンダー特有のビジュアル言語は、ハンナ・ヘッヒやマン・レイといったダダイストによる写真やフォトモンタージュ、さらにはシュルレアリストの夢幻的な挑発から影響を受けたものだ。
What I Do To Please You I Do, 1981-2008
Photograph: birrer Digital print from original negative on photographic paper
Courtesy of the artist and Modern Art © Linder

She/She, 1981
Silver bromide photographs from original negative in 14 parts
Courtesy of the artist and Modern Art © Linder
女性の写真というイメージを可変的な素材として切り貼りし、美しさや軽やかさ、そしてユーモアさえも併せ持つ作品へと昇華することで、男性中心社会への異議を唱えていることが、作品全体を通して見て取れる。
フェミニズムの先駆者として、リンダーが長年にわたり創造してきた作品群を、初期作から最新作まで一堂に見ることができる本展覧会は見逃せない。
Oedipus, 2021
Photomontage
Courtesy of the artist and Modern Art © Linder
Untitled, 1979
Photomontage
Courtesy of the artist and Modern Art © Linder
「LINDER: GODDESS OF THE MIND」
会期:8月16日(日)まで
開館時間:11:00~19:00(最終入場18:30)
イベント開催時は変更あり。関連イベントの詳細はwebsiteをご確認ください。入場無料・予約不要
会場:シャネル・ネクサス・ホール(東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F)
主催:シャネル・ネクサス・ホール https://nexushall.chanel.com/
関連情報
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©︎marie claire/text: Naomi Tomisawa
Profile
リンダー・スターリング
1954年、リバプール生まれ。現在はロンドンを拠点に活動。2025年にロンドンのヘイワード ギャラリーで大規模回顧展「Linder: Danger Came Smiling」を開催し、各地を巡回。これまでにケトルズ ヤード(ケンブリッジ)、パリ市立近代美術館などで個展を開催している。作品は、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)、MoMA(ニューヨーク)、テート モダン(ロンドン)をはじめ、世界各地の主要美術館やコレクションに収蔵されている。