©Camille Lemonnier
セイコーグループがパリ有数のラグジュアリーホテル「リッツ・パリ」でショートフィルム「THE GIFT OF TIME -時と生きる-」の上映会を10月7日に開催。ホテルの中庭には、建築家・隈研吾さんが設計した茶室が1日限りで登場。満月の夜空のもと、「一期一会」の精神とジャパン・ラグジュアリーの神髄を体感できる特別な一日となった。
秋のさわやかな風が流れる中、多くのゲストが茶の湯の世界に身を委ね、心穏やかなひと時を過ごした。茶室の設計を担ったのは、グランドセイコースタジオ 雫石やグランドセイコーブティック パリ ヴァンドームを手がけてきた建築家、隈研吾さん。
壁と天井には、細い竹を簾(すのこ)のように並べた簾虫籠(すむしこ)と呼ばれる構造が施され、竹のすき間から差し込む光と風が空間を柔らかく包み込んだ。「リッツ・パリの庭そのものを感じられるよう、あえて『透明の茶室』にした」と隈さん。その言葉どおり、ヒノキの香りに満ちた茶室は、自然の呼吸が感じられる穏やかな空間だった。釘(くぎ)などの金物を一切使わず、分解・再利用を可能にした設計にも、環境への配慮が込められている。

イベントで上映されたショートムービー「THE GIFT OF TIME -時と生きる-」は、日本文化における「時」の意味をひもとくドキュメンタリー。隈研吾さんに加え、現代美術作家の杉本博司さん、作曲家で文化庁長官の都倉俊一さん、そして歌手のMISIAさんが出演し、それぞれの視点から「時」と創作、哲学との関係を語っている。日本文化を感じられるさまざまなロケーションも美しい。
ディレクターを務めたのは、Netflixのドキュメンタリーシリーズ「Abstract: The Art of Design」などで知られ、エミー賞にもノミネートされたPaula Chowlesさん。イベントに登壇したPaulaさんは、日本ならではの価値観「一期一会」に共感を示した。「時を前にして、私たちは決して無力ではない」と語るように、出演者たちの「時」への前向きなまなざしと、しなやかな意思が印象的な映像作品となっている。

セイコーグループは1日限りのこのイベントを通じて、自然と調和し、静けさの中に豊かさを見いだすという日本の美意識に根ざした「ジャパン・ラグジュアリー」の神髄を体現した。
text: Shunya Namba @Paris Office
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