モデルの冨永愛さんが全国各地を訪ね、その土地に根付く伝統文化や伝統工芸とその未来を紹介するテレビ番組「冨永愛の伝統to未来」(BS日テレで毎週水曜日22時から放送中)。工芸など日本の伝統文化を深く愛好している冨永さんが、毎回その魅力を生き生きと伝えている。前回6月25日に引き続き7月2日の放送では石川県能美市を訪ね、この地域に江戸時代から伝わる伝統工芸「九谷焼」の魅力と、この伝統を未来へ繋(つな)いでいくための新たな取り組みなどを紹介する。
石川県の伝統的な色絵陶磁器である九谷焼は、江戸時代前期の明暦元年(1655年)、加賀藩の命を受けて肥前有田(佐賀県)で技術を学んだ後藤才次郎が、地元・九谷村で開窯(かいよう)したのが始まりといわれている。しかし、わずか100年足らずで廃窯。この頃に焼かれたものを「古九谷(こくたに)」と呼ぶ。それからしばらく時が経った江戸後期、古九谷再興の動きが強まり、加賀藩の支藩である大聖寺(だいしょうじ)藩の豪商・吉田屋伝右衛門らの手によって九谷焼が復活。明治6年(1873年)のウィーン万博では「ジャパンクタニ」として九谷焼の名が広まり、大量の九谷焼が海外に輸出されるようになった。
九谷焼の特徴といえば、「九谷五彩」と呼ばれる「赤、黄、緑、紫、紺青(こんじょう)」を使用した優美で色鮮やかな上絵付け。「上絵付けを語らずして九谷はない」と言われるほど、色絵装飾の技術は素晴らしく、様々なデザインや技法がある。
今回、冨永愛さんが最初に訪れたのは、能美市内にある福島武山工房。九谷焼作家の福島武山(ぶざん)さんは、数ある九谷焼の技法の中で「赤絵細描(あかえさいびょう)」と呼ばれる技法の第一人者だ。「赤絵細描」とは、「弁柄(べんがら)」と呼ばれる赤い顔料で髪の毛ほどの細かい線の文様を描いていく超絶技巧。武山さんは、1ミリの間に4本の線を描くことができるそうで、米粒に名前が書けるという。80歳になった今も老眼鏡も使わず、肉眼で太さ1ミリ以下の線を描いていく。前回の放送では、冨永愛さんも赤絵細描に挑戦したが、ぐい呑(の)み1周分の線を描くだけで10分以上の時間がかかり、その難しさを実感した。



そんな九谷焼の魅力をもっと若い人たちにも知ってほしいと、武山さんの弟子である河端理恵子さんが始めたのが「九谷ネイル」。赤絵細描の技法で爪に極細な柄を描いていく様子はまさに圧巻の一言で、特に若い女性層から高い支持を得ている。今回、冨永愛さんも九谷ネイルに挑戦したが、はたしてその出来栄えは?


次に訪れたのは、同じ能美市内にある青郊窯(せいこうがま)。大正時代に九谷焼の絵描きとしてスタートした青郊窯は、食品衛生法の基準を満たした和絵の具を開発。それを色付けに使用することで、それまでの鑑賞用が主だった九谷焼を、食器としても使える商品にした。
そして昭和になると、九谷焼の業界としては初めてスクリーン印刷の技術を導入し、転写機に図柄をプリント。それを陶磁器に張り付けて完成させる新しい形の九谷焼の開発に成功。その製造過程には多くのこだわりが詰まっており、とてもプリントシールで作られたとは思えない出来栄えだ。そしてプリントシールをきれいに貼っていき、精巧に仕上げるのにも職人技を要する。その中でも一番難しいという急須のプリントシール貼りに冨永愛さんが挑戦する。



今回紹介する「新しい九谷焼編」は、BS日テレで7月2日(水)よる10時から放送。冨永愛さんがプリントシールを貼った九谷焼の急須の視聴者プレゼントも。
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