Courtesy of Gucci ©Tadanori Yokoo
東京・銀座のグッチ銀座 ギャラリーにて、日本を代表するアーティスト、横尾忠則の個展「横尾忠則 未完の自画像 – 私への旅」が開催中。屋上スペースに登場した、1970年の大阪万博で話題を呼んだ赤い足場を再現したインスタレーションも見どころだ。

約60年にわたり、常に新しい表現の可能性に挑戦して変貌を重ね「未完」の「旅」を続けてきた横尾忠則。ひとつの完成形にとどまることなく変貌(へんぼう)と挑戦を繰り返してきたその姿勢は、進化を続けるグッチというブランドの在り方とも共鳴する。

「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」と題した本展では、美術評論家の南雄介によるキュレーションのもと、「旅」を想起させるテーマを描いた作品を中心に約30点を展示。その中には自画像や家族の肖像など、初公開となる最新作6点も含まれている。
さらに注目は、本展のために特別に開放された屋上スペースに登場したインスタレーションだ。これは1970年の大阪万博で発表され、大きな話題を呼んだ「せんい館」の足場を再構築したもの。構造物としての「未完」を真っ赤な足場でシンボリックに提示したその姿は、今なお見る者の想像力を刺激してやまない。

展覧会は8月24日(日)まで開催予定。あわせて東京・世田谷美術館でも、別の視点から横尾の創作世界に迫る展覧会「横尾忠則 連画の河」が6月22日(日)まで開催されている。
またグッチは、ファッションブランドとして初めて「瀬戸内国際芸術祭2025」の公式パートナーに就任。東京、瀬戸内、そして大阪・関西万博で世界から注目される大阪でもアートプロジェクトを展開する予定だという。
芸術の創造性は未完成であることにこそ宿る、という横尾が一貫して掲げてきた美学を体感できる展覧会。「完成」を手放した先に広がる自由と可能性について、想いを巡らせてみては。
text: Tomomi Suzuki
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