アカデミー賞2024ノミネート全リスト『オッペンハイマー』が最多13部門

『バービー』のグレタ・ガーウィグ監督と主演マーゴット・ロビーは候補から外れた一方で
『オッペンハイマー』は13部門で候補に

これは特に驚くべき事実だ。『バービー』は全世界で14億米ドル（約2071億円）を稼ぎ、2023年最大の興行収入を記録した映画だ。ケン役のライアン・ゴズリングとグロリア役のアメリカ・フェレーラはそれぞれ助演賞にノミネートされたものの、ファンはこの決定に首をかしげている。

「ライアンは大好きだけど、世の中が女性にとってどれだけ過酷かについての映画に出演した“男性”がオスカーにノミネートされて、バービーという異例の役を演じ、女性らしさと女性が立ち向かわなければならない葛藤を表現したマーゴットはなぜノミネートされなかったのだろう」とあるファンはX（旧ツイッター）で嘆いた。

監督賞の候補も、『落下の解剖学』のジュスティーヌ・トリエ監督以外はすべて男性だった。

しかし、家父長制や堅苦しい理想ばかりが支持されたわけではない。『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のリリー・グラッドストーンは、ネイティブ・アメリカンとして初めてアカデミー賞の演技賞にノミネートされている。彼女は米誌『The Hollywood Reporter』に、この栄誉は自分よりも前に活躍した素晴らしいネイティブ・アメリカンの男優・女優たちのものだと語った。

「ずいぶんと時間がかかりました。というのも、これまでに多くの素晴らしい、信じられないような演技がありましたから。（ノミネートされたのが）私なのは、状況的なものだと感じています」

『オッペンハイマー』は最多13部門でノミネートを受け、次いで11部門ノミネートの『哀れなるものたち』、10部門の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の順となった。

2024年アカデミー賞のノミネート全リストは以下の通り。

作品賞

『American Fiction（原題）』
『落下の解剖学』
『バービー』
『The Holdovers（原題）』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『マエストロ：その音楽と愛と』
『オッペンハイマー』
『パスト ライブス／再会』
『哀れなるものたち』
『関心領域』

監督賞

ジョナサン・グレイザー『関心領域』
ヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』
クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』
マーティン・スコセッシ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ジュスティーヌ・トリエ『落下の解剖学』

主演女優賞

アネット・ベニング『ナイアド　〜その決意は海を越える〜』
リリー・グラッドストーン『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ザンドラ・ヒュラー『落下の解剖学』
キャリー・マリガン『マエストロ：その音楽と愛と』
エマ・ストーン『哀れなるものたち』

主演男優賞

ブラッドリー・クーパー『マエストロ：その音楽と愛と』
コールマン・ドミンゴ『ラスティン：ワシントンの「あの日」を作った男』
ポール・ジアマッティ『The Holdovers（原題）』
キリアン・マーフィー『オッペンハイマー』
ジェフリー・ライト『American Fiction（原題）』