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戴冠式直前! ドラマ「ザ・クラウン」で見るチャールズ新国王への道のり

ダイアナとの破綻、エリザベス女王との関係

©Keith Bernstein

続く「ザ・クラウン」シーズン5は昨年11月に配信が開始されている。本作ではチャールズ皇太子役をドミニク・ウェストが演じている。最近では「トゥームレイダー ファースト・ミッション」や「ダウントン・アビー/新たなる時代へ」に出演した俳優と言えば、思いあたる方もいるだろう。

チャールズ皇太子とダイアナ妃の関係を主軸としたシーズン5は事実として確認出来ることとは異なる内容で物語のインパクトや分かりやすさを演出しているとされる側面が多く、英国国内での大きな批判を受けていることは事実だ。

しかし、長期にわたり女王の座にある母・エリザベス2世との考えの相違や軋轢(あつれき)があったことは事実ではないか?と思える。また、長い間くすぶり続けていたカミラ夫人との関係が、思わぬ盗聴行為により世間に露呈してしまい、一大スキャンダルに発展。苦しい見解をインタビューという形でテレビで語ったことは事実であり、この後、イメージアップには苦労が続くことになる。

自身の王位継承者としての公式活動や慈善事業での功績をエリザベス2世に認められることもなく、ダイアナ妃との関係はどんどん複雑で回復の見込みの無いものになっていく中で、一人の人としてチャールズ皇太子を見た時に、カミラ夫人がひと時の安らぎだったのかもしれない、とすら思えてきてしまう。シーズン5では、チャールズ皇太子とエリザベス女王との対立が事実とは異なる形で演出されているが、何度かエリザベス女王から叱責や助言を受けてきたカミラ夫人との関係がもはや公のこととしてスキャンダルを巻き起こす状況が描かれ、物語はダイアナ妃の死亡事故で、最終シーズンとなる次回作へ続いている。

©Ollie Upton

長い間、英国国民に広く慕われ、愛され続け、国の繁栄や行く末に大きな影響力を持った母であるエリザベス2世のもとで、チャールズ皇太子は何を思い、何を考えてきたのだろう?

ドラマが描く王室での日常や出来事のすべてが事実ではないが、それでも王位継承1位という立場で、幼いころから王族であることの厳しさを経験し、偉大すぎる母を持った一人の男性としての苦悩と捉えると、これから行われる新国王チャールズ3世の戴冠式は感慨深い。ドラマがフィクションであることを理解する必要はあるが、英国王室の長い歴史と新国王のこれまでの道のりに「ザ・クラウン」を視聴しながら思いを馳せてみるのはいかがだろう?

来る5月6日、ロンドンのウェストミンスター寺院にて、これまでの英国王室の慣例にもとづきチャールズ新国王の戴冠式が執り行われる。先代の国王であり、母でもあったエリザベス2世の戴冠式から70年の時を経た今、これからの英国を象徴し、勇気づけ、未来に向けて歩む新国王の頭上に王冠が輝く瞬間を目にすることを私たちは楽しみにしたい。

text:Ryoko Morita

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