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戴冠式直前! ドラマ「ザ・クラウン」で見るチャールズ新国王への道のり

ドラマに見る、ダイアナ妃との出会いと結婚、そして……

©Keith Bernstein

皇太子時代のチャールズがダイアナ妃と出会い、結婚する背景がNetflixで配信されているドラマ「ザ・クラウン」のシーズン4に描かれている。

ドラマの中ではシーズン3に続き、BBCのドラマなどで活躍しているジョシュ・オコナーがチャールズ皇太子役を演じている。張り出した耳の形が似ている、という評判があったようだが、それ以上に皇太子としての立場と個人としての感情の間で強いプレッシャーを受けていたチャールズ皇太子のたたずまいが非常によく写し取られている。

チャールズ皇太子とカミラ夫人との出会いはシーズン3で描かれているが、シーズン4ではダイアナとの出会いから結婚が主に描かれる。このシーズン4は日本では2020年11月に配信が開始されたが、本作については英国国民にとって現代史と呼ぶには早すぎる時期を扱ったものであり、実際の英国王室動静の観察者としての視点から、事実と異なる点が多いのでは?といった批評や意見が多発したシーズンでもあった。

そもそも、ドラマはフィクションであり、取材や報道などの情報を基に物語が構成されていても事実を語るものではないことは視聴者が理解しておくべき点ではないだろうか?

©Des Willie

カミラ夫人への思いを抱きながらも、家柄や経歴、容姿など次期英国国王妃にふさわしい条件を持ったダイアナとの出会いはチャールズ皇太子にとって、自らの立場を考えると、受け入れる必要があったことは容易に想像がつく。
実際、ドラマの中でも母であるエリザベス女王から、カミラ夫人との関係を清算し、ダイアナと結婚するよう強く促される場面が描かれている。王位継承1位である自身の立場をチャールズ皇太子が理解していないわけでは無いと思われることからも、個人としての恋愛感情と、立場として選ぶべき、進むべきダイアナとの結婚の間で大きな葛藤があったことは事実であろう。

ダイアナにプロポーズし、かつてないほどの英国民の熱狂的な祝福とお祭り騒ぎを経て二人は結婚し、日本を含む多くの国々に英国王室メンバーとして公式に外遊を行っていくことになる。ドラマでは宮殿での生活が始まり、英国国民や周囲の熱狂と好奇心とは裏腹に、王室での生活に戸惑いなじめずにストレスを募らせるダイアナ妃の姿が描かれている。そんなダイアナの王室での辛い日常を知ってか知らずか、外遊で訪れたオーストラリアでの様子がドラマエピソードとして扱われている。チャールズ皇太子としての外遊であるにも関わらず、ダイアナ人気がマスコミに取り上げられ、外遊の成果までもがダイアナに奪い取られるような状態となってしまい、その現実に嫉妬とも捉えられる感情を抱いてしまう。

シーズン4の中で描かれるこのエピソードがどの程度事実なのかは、当人でない以上わからないことだが、ダイアナ妃との結婚生活が上手くいかない背景として、カミラ夫人との関係以外にも、チャールズ皇太子として、国民反応やマスコミの扱いに対する葛藤が多々あったであろうことは想像出来る。

1981年7月にセント・ポール大聖堂で執り行われた盛大な挙式から始まったチャールズ皇太子とダイアナ妃の新たな生活は、双方の努力も空しく「こんなはずじゃなかった」という状態に陥ってしまった切なく苛立たしい気持ちの行き違いを描いている。

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