イ・ジュンギ、ソン・ソック、イ・ジュノ。“泣かせる”韓国イケメン3俳優
2023.3.28
2023.3.28
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整った顔立ちのイケメンとは少し違って、男くさく粗野な風貌のソン・ソック。第58回百想芸術大賞で作品賞を受賞した「D.P. 脱走兵追跡官」や昨年日本でも公開された「私の解放日誌」で彼の存在を知ったという人も多いだろう。シカゴ芸術大学で美学を学んだ経歴を持ち、短編映画の監督や舞台の芸術監督を務めたこともある個性派俳優だ。
役柄によって印象が大きく変わるソン・ソックだが、寡黙で謎めいた役柄で人気が高まったのが「私の解放日誌」で演じたク氏役だ。物語の終盤まで一体何者なのか明らかにされないのだが、わけあってソウル近郊の田舎町にやってきたク氏は、昼は農作業をこなし、夜は一人で酒におぼれる生活をしている。身を寄せる家族には3人の兄妹がおり、その末娘ミジョンとの間に恋愛とも少し違うが、お互いを思い合う関係が芽生えていく。ミジョンとの対話でもク氏は多くを語ることなく、寡黙な態度を貫く。その姿からこぼれ落ちるような色気が秀逸だ。悪事に染まっていたク氏は物語の最後に追い詰められた状況から自らを解放していく。ミジョンに再び会うことを願うように走り出す顔に浮かぶ笑顔は、語らぬ心の解放を表しているかのようだ。
疲れた男が、諦念から一歩踏み出すとき、言葉より雄弁に語られる解放感に、観る者は安堵(あんど)に似た涙を浮かべてしまう。存在感で魅せるソン・ソックに注目したい。
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