米誌『People』によれば、1994年6月29日(現地時間)、当時ダイアナ元妃と別居中だったチャールズ現国王は、テレビ番組でカミラ現王妃との不倫関係を告白。その日の夜、ダイアナ元妃はロンドンのサーペンタイン・ギャラリーで行われたパーティーに、デコルテを大胆に露出した黒いミニドレス姿で登場した。その装いが夫への「復讐(ふくしゅう)」だったのではないかとの見方が広まり、のちに「リベンジドレス」と呼ばれるように。そんな伝説のドレスが約30年ぶりにオークションに出品され、話題を呼んでいる。マリ・クレール インターナショナルのアメリカ版デジタル記事より、一部編集してお届け。
“リベンジドレス”の落札価格は最大約4700万円予想。過去には“羊柄セーター”が1億円超で落札
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ダイアナ元妃を象徴するファッションアイテムはいくつかある。サファイアの婚約指輪(現在はキャサリン皇太子妃が着用)、赤の羊柄のセーター、そして「リベンジドレス」だ(サザビーズの公式サイトによると、赤の羊柄ニットは英ブランド「Warm & Wonderful」のもので、2023年9月にオークションに出品された。当初の予想落札価格は5万~8万ドルだったが、最終的には114万3000ドル〈当時約1億6850万円〉で落札され、ダイアナ元妃が着用した衣服として当時のオークション最高額を記録した)。
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「30年がたった今では、世界中どこでその言葉を口にしても、誰もがどのドレスのことなのかわかります」。そう語るのは、1997年にそのドレスを落札し、今回オークションに出品した所有者だ。
1994年6月、ダイアナ元妃がサーペンタイン・ギャラリーで開かれたチャリティパーティでまとったブラックシルクドレス。ギリシャ人デザイナー、クリスティーナ・スタンボリアンが手がけたもので、この大胆なリトルブラックドレスは瞬く間に伝説となった。
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1997年にダイアナ元妃自身がこの有名なドレスをオークションに出品し、その収益ががんやエイズ関連の慈善団体に寄付されたことで知られているが、今年12月、再びオークションにかけられることになった。
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今回、ニューヨークの名門オークションハウス、サザビーズが、1997年のオークションで落札したこのドレスの所有者に代わって出品。収益の一部は、スコットランドの公的医療機関NHS Lothianを支援する慈善団体「NHS Lothian Charity」と通じて、ロイヤル・エジンバラ病院に寄付される。
専門家は、落札価格を15万~30万ドル(約2400万~4700万円)と予想。1997年のオークションでは3万9098ポンド(当時約740万円)で落札されており、今回は当時の落札価格から大幅に上昇することが見込まれている。
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「亡き夫も私も、このドレスが特別なものだとわかっていました」と、1997年のオークションでこのドレスを購入した出品者は語った。「ダイアナ元妃にとっては、人生最悪ともいえる夜だったかもしれませんが、彼女の姿を見ても、そんなことはまったくわからなかったでしょう。彼女が写真を撮られている間に、それは一着のカクテルドレスから、ひとつのメッセージへと変わったのです」
世間を騒がすダイアナ元妃のファッションによる意思表示は、自身が世界に与える影響力を彼女が深く理解していたことを示していた。(『People』によれば、当初はヴァレンティノのドレスを着る予定だったものの、その情報がリークされたため、ダイアナ元妃のクローゼットにしまってあったクリスティーナ・スタンボリアンのミニドレスに急きょ変更。翌朝の新聞の一面は、不倫を告白したチャールズ現国王ではなく、ダイアナ元妃が飾ったのだとか)。
「言葉では伝えきれないとき、あるいは言葉だけでは足りないとき、ファッションはひとつの言語になり得ます。ダイアナ元妃はそれを本能的に理解していました」と、サザビーズのハンドバッグ&ファッション部門グローバル責任者、仏オークショニアMorgane Halimi(モルガン・アリミ)氏は米誌『Town & Country』に語った。
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「このドレスが特別なのは、単にダイアナ元妃が着用したからでも、サーペンタイン・ギャラリーのイベントにこのドレスで登場したことが世界中で大きく報じられたからでもありません。重要なのは、このドレスが何を伝えたかです」
「ダイアナ元妃は人生で最も世間の厳しい視線にさらされ、感情が大きく揺さぶられた時期のひとつに、このドレスを自らのやり方で、それまでにないほど力強いメッセージへと変えました」とアリミ氏は語った。
「それは、SNSで『バズる』という言葉が当たり前になるずっと以前に、世界的に“バズった”出来事となりました。そして誰もが、とりわけ女性たちが、単なる装いを超えて、より意図的かつ意味のある形でファッションを用いることを後押ししたのです」
※( )内編集部注
translation & adaptation: Akiko Eguchi
関連情報This article was originally published by Christine Ross on
Marie Claire USA