2026年9月9日(現地時間、以下同じ)、35年間にわたり国王を務めたハラルド5世の葬儀が行われ、悲しみに包まれたノルウェー。それに先立つ8月28日の国王死去を受け、長男ホーコン皇太子がホーコン8世として新国王となり、妻メッテ=マリット皇太子妃は王妃となった。それに伴い、長女イングリッド=アレクサンドラ王女が皇太子となり、将来即位すれば600年以上ぶりの女性君主が誕生することに。こうして新たな時代の幕を開けたノルウェー王室だが、新王妃には近年相次いだスキャンダルをめぐって国民から厳しい目が向けられているようだ。マリ・クレール インターナショナルのアメリカ版デジタル記事より、一部編集してお届け。
物議をかもすノルウェーの新王妃メッテ=マリットとは、どんな人物か
民間出身で王妃となったメッテ=マリット新王妃は、近年、数々のスキャンダルに見舞われてきた。ウェートレスの経験を持つ新王妃は、未成年への性的犯罪で有罪となったジェフリー・エプスタイン元被告(勾留中の2019年に死亡)との交友や、過去の交際相手との息子マリウス・ボルグ・ホイビーが強姦(ごうかん)罪などの複数の罪に問われた裁判などで批判を受け、国民の支持を得る必要に迫られている。
この投稿をInstagramで見る Revista ¡HOLA!(@holacom)がシェアした投稿
8月28日(金)、父ハラルド5世が89歳で死去し、ノルウェーの新国王となったホーコン8世にとって、その後を継ぐのは容易なことではない。“ノルウェーのおじいちゃん”として知られたハラルド国王は、国民から広く愛されていた。しかし、ホーコン新国王と妻メッテ=マリット新王妃は不透明な未来に直面しており、その支持を高めようと試みている。なかでもメッテ=マリット王妃は長年にわたって数々のスキャンダルに巻き込まれてきた。
この投稿をInstagramで見る Det Norske Kongehuset(@detnorskekongehus)がシェアした投稿
メッテ=マリット・チェッセム・ホイビーとして生まれた新王妃の父親には有罪判決歴があった。メッテ=マリット王妃自身も有罪判決歴のあるジョン・オグンビーと交際していたことがある。1997年にはオグンビーの友人で、同じく有罪判決歴のあるモートン・ボルグとの間に、息子マリウス・ボルグ・ホイビーをもうけた。
メッテ=マリット王妃は幼い息子との生活を支えるためにウェートレスとして働き、その後、1999年夏に、共通の知人を介して何度か会っていたホーコン皇太子と音楽フェスティバルで再会した。2人の交際は急速に進展し、2000年12月に婚約が発表されると、ノルウェー国民に驚きをもって受け止められた。
この投稿をInstagramで見る VG(@vgnett)がシェアした投稿
結婚前のインタビューでメッテ=マリット王妃は、かつて夜通しダンスパーティに出入りし、ドラッグに関わる奔放な生活を送っていたことを認める一方、そうした日々はもう過去のものだと語った。それでも、国民が彼女を受け入れるまでには時間がかかった。
2001年の英紙『The Independent』は、同年8月に結婚したメッテ=マリット皇太子妃(当時)を激しく批判。「ノルウェー王妃という将来の役割にはまったくふさわしくないというのが一般的な見方だ」と記した。
この投稿をInstagramで見る Det Norske Kongehuset(@detnorskekongehus)がシェアした投稿
その後、現在のメッテ=マリット王妃は長年にわたって慈善活動に尽力し、夫ホーコン現国王との間には2004年、イングリッド・アレクサンドラ王女(当時)、2005年、スヴェレ・マグヌス王子が誕生した。
しかし2024年、過去の交際相手との長男マリウスが複数回にわたって逮捕され、2026年には2件の強姦罪など複数の罪で起訴された。マリウスは禁錮4年の判決を受け、現在は電子監視下で自宅に勾留されており、控訴審を待っている(ノルウェー紙『Aftenposten』によると、9月7日に勾留が4週間延長されたが、ハラルド国王の葬儀には外出許可を得て参列した)。
この投稿をInstagramで見る Just Jared(@justjared)がシェアした投稿
大きな注目を集めたこの裁判によって、メッテ=マリット王妃と家族にも否定的な視線が向けられ、とりわけ捜査中に彼女が情報を隠そうとしたり、息子をかばおうとしたりした可能性があるとの疑惑が広まった後はなおさらだった。
新王妃は2026年初めにも、かつて友人だったというジェフリー・エプスタイン元被告に送ったメールが、「エプスタイン文書」の一部として公開され、大きく報じられた。それらのメッセージはノルウェー国民に衝撃を与え、なかには「この前のメールのあと、あなたのことをGoogleで検索しました。確かに、あまりよい印象ではなかったわね :)」と絵文字までつけて書かれたものもあった(エプスタイン元被告は2008年に性犯罪で有罪判決を受けていたが、このメールにより、メッテ=マリット王妃との交流がその後も続いていたとみられ、批判が高まった)。
この投稿をInstagramで見る HELLO! Magazine(@hellomag)がシェアした投稿
2026年3月、メッテ=マリット皇太子妃(当時)は涙ながらにインタビューに応じ、自身の行動について謝罪した。彼女は、「彼の経歴をもっと慎重に確認しなかったことについて責任を負う」ことが、自分にとって「非常に重要」だと述べた。
そしてGoogle検索についてふれたメールが、何についてのものだったのかは覚えていないと説明したうえで、「でも、彼が加害者で性犯罪者だと気づくような情報を見つけていたのなら、文末に笑顔の絵文字を付けることはなかったでしょう」と付け加えた。
公の場で物議を呼ぶ出来事に加え、メッテ=マリット王妃はこの10年ほど、健康上の問題にも悩まされてきた。2018年、ノルウェー王室は、メッテ=マリット皇太子妃(当時)が肺に瘢痕(はんこん)が生じ、呼吸困難を引き起こす慢性疾患である肺線維症と診断されたことを発表した。
この投稿をInstagramで見る Det Norske Kongehuset(@detnorskekongehus)がシェアした投稿
2026年春には酸素ボンベを使用するようになり、新王妃は同年6月に肺移植を受けた(5月の憲法記念日の行事には、鼻カニューレを装着して出席した)。
王妃となった今、メッテ=マリット王妃は自身のパブリックイメージを立て直さなければならない。
この投稿をInstagramで見る Det Norske Kongehuset(@detnorskekongehus)がシェアした投稿
ロイター通信によると、ノルウェーのTV局『TV2』が今年1月に実施した世論調査では、ノルウェー国民の47.6%がメッテ=マリットは王妃になるべきではないと回答。またノルウェーの公共放送『NRK』が同月に発表した世論調査では、君主制への支持が1月の70%から60%に低下していた(なお、ハーラル国王の葬儀後、『Aftenposten』が9月10~14日に実施した世論調査では、メッテ=マリットが王妃にふさわしいと答えた人は47%と、2月の同様の調査の約20%から大幅に増加している)。
※( )内編集部注
translation & adaptation: Akiko Eguchi
関連情報This article was originally published by Kristin Contino on
Marie Claire USA