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<ビューティジャーニー>第18回 挑戦と美の方程式

(c)Nathalie Lima Konishi

【9月12日 marie claire style】正直に告白すると、これまでクッションファンデーションに魅力を感じていなかった。カバレッジやツヤ、そしてナチュラルさのどれかをほんの少しだけ諦めたりしながらリキッドで肌色を作り上げてきたわけだ。しかし、それらのすべてが叶う至高のファンデーションを今夏完成させたのが「NARS」だ。

 このファンデーションには3つの仕掛けが備わっている。まずは16時間続くというカバー力。2つめはラメやパールに頼らず、スキンケア効果によって叶うツヤ感。そして最後に、ベースメイクの存在を思わせない透け感。誰もが感じるように、自分の肌にマッチするベースメイクを見つけ出すのは本当に困難なもの。実際に私がこのクッションをのせた瞬間に湧き上がってきた率直な感想は、「やっと自分らしい肌に出合えた」であった。

 そんな肌に相応しいのは、今秋大リニューアルを行うリップスティックだ。そもそも創始者のフランソワ・ナーズは12色の口紅から同ブランドをスタート。25周年を迎えた今年はその原点に立ち返ったうえで、自己表現を可能にするリップ60色を発表した。最も惹かれたワインレッドは、塗るたびに真新しいランジェリーを纏うときのような感覚を覚える。

 実は、フランソワとともにクリエーションの一端を担っているのはNY在住の日本人、桑村真波氏であることを初めて知った。新作発表のたびに、大胆なピグメントと革新的で抜かりのない処方のバランスに感銘を受けていたが、その理由が腑に落ちた。”クッションは苦手”と思っていた私に、改めてメイクアップによる自分探しへの挑戦という心意気を思い起こさせたファンデーションは、実に150回以上肌にのせて試作を重ねたことを桑村氏は明かしてくれた。挑戦に勝る美はない。そんなことを感じずにはいられなかった。

■お問い合わせ先
NARS JAPAN/0120-356-686

■プロフィール
小西俐舞ナタリー(Nathalie Lima Konishi)
フランス人の父を持つビューティアクティビスト。モード系美容誌編集を経て独立後、日本や海外の美容媒体をメインに、コレクション速報や取材現場で得た美容メソッドなどを中心に執筆中。レインボータウンFMのラジオ番組「Nathalie’s Beauty Talk」では第1土曜と第2木曜にフランスの最新情報などを紹介している。

■関連情報
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(c)marie claire style/selection, text, photo: Nathalie Lima Konishi

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