【麻生 綾 美のレサンシエル】vol.1 論理と直感──秋コスメの「なんとなく好き」は、AIを超えたロジカルな美の選択

Beauty

2026.08.19

【麻生 綾 美のレサンシエル】vol.1 論理と直感──秋コスメの「なんとなく好き」は、AIを超えたロジカルな美の選択
生成AIが瞬時に最適解をくれる時代。だからこそ、人の心身がもたらすバグや揺らぎがたまらなく愛おしい。デジタルには弾き出せない、未完成ゆえの「色気」という美の本質(レサンシエル)をひもといていく連載。
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直感はAIを超える?!

直感とはその人の集大成

column: 今月のBeauty Tips


直感はAIを超える?!

ロジカルなほうだと思う。なぜ? と疑問に思ったことはそのままにできず即、検索するか、それでも足りない場合は識者に尋ねる。しかし、その真逆で直感というものも大事にしている。つまりはっきりとした裏付けを持たない、「なんとなく」の感情も好き。矛盾? いや、実はそんな直感こそ「究極にロジカル」なのだと思っている。

「なんとなく」「いまの気分」──私が生業にしているビューティの世界は、そのかなりの部分がそんな数値化できない曖昧な感覚で構成されているが、なぜか長らく商売として成立している。その代表が、シーズン毎に発売されるメイクアップの新色。年に2回以上、各社の新色を眺め続けて37年になるが、いまだそれらにいちいち感動してしまう。「ここにパープルを持ってくるとか、このアイシャドウパレットの色合わせ、なんて“いま”を切り取っているのかしら!」「マットなのに驚くほど薄い膜! でもしっかり見たままの色がのる」。その心地よい衝撃は、とりわけ当代一流のメイクアップアーティストがクリエイティブ・ディレクターを務めるブランドにおいて、ひときわ強く感じられる。

直感とはその人の集大成

コスメ業界は、早くも秋の新色シーズンに突入。毎度思うがRMKのクリエイティブ・ディレクターYUKIさんは、時代を色と質感で読み解く類いまれなる感性の持ち主だ。その「いまの気分」は、とりわけ写真のような限定色において顕著に表現される。

RMK シンクロマティック アイシャドウパレット EX-19 Stealth&Spark ¥6,380(限定販売中)/RMK DivisionRMK シンクロマティック アイシャドウパレット EX-19 Stealth&Spark ¥6,380(限定販売中)/RMK Division

また、同じく時代を牽引(けんいん)するメイクアップアーティスト、KANAKOさんがクリエイティブ・ディレクターを務めるアディクション。秋の新製品は「ほぼ微差」のミュートカラーがずらり12色そろう、こだわりのマットリキッドリップだ。

アディクション コンフィデント マット リップ(上から)001 Pointed Toe、002 Norm Nude、008 Loose Toffee、009 Taupe Mania、010 Baggy Boots、011 Tight Red 各¥4,180/アディクション ビューティアディクション コンフィデント マットリップ〈から〉001 Pointed Toe、002 Norm Nude、008 Loose Toffee、009 Taupe Mania、010 Baggy Boots、011 Tight Red 各¥4,180/アディクション ビューティ

市場調査を基にAIが最適解(売れ筋)を弾き出せる時代だからこそ、トップクリエイターが最後の最後に、その道一筋の人の直感、あるいは感性という微調整を注ぎ込んだものは何かが違うように思う。これぞ人間ならではの意思であり体温。AIにはまだ導き出せない高度なロジック。少なくとも私は、そんな魂の刻印のあるものに心を動かされる。

では直感の正体は何か? それはいきなり天から降ってくる未知なるものではなく、実はその人の経験や知識がその人の中でじっくり熟成された、既知なるものなのだと思う。その文脈で言えば、トップクリエイターたちが「いまの気分」で生み出したように見える新色、新製品の数々は、実は彼らの圧倒的な経験値とロジックの現時点での集大成。つまり人間において論理と直感は決して相反するものではなく、お互い螺旋(らせん)のように絡み合いつつ更新されていくものなのだ。

そしてそれらの成果物(製品)に手放しで感嘆し、「美しい」「欲しい」「似合わせたい」と願う感情もまた、受け手である私たちのこれまでの美意識や経験の蓄積化ら来る素直な反応である。今年の秋は「なんとなく」という実は確かなジャッジメントを信じて、いまだ見たことのない自分の顔に出会ってみようではないか。

column: 今月のBeauty Tips

ルイ・ヴィトンというメゾンを知り尽くしているからこそ

ルイ・ヴィトンのショーのバックステージにパット・マクグラスあり。メゾンと長年歩みをともにしてきたメイクアップ・アーティストであるパットだからこそ、彼女がコスメティック・クリエイティブ・ディレクターとしてルイ・ヴィトンのために紡ぎ出すカラーは特別。LV ルージュ、LV オンブル(アイシャドウパレット)に続くメゾン初のリップライナー、LV クレヨンにもその熟成された“思い”を強く感じる。繊細なヌードカラーからモノグラム・ルージュというアイコニックなレッドまで、滑らかな描き心地のペンシルは全10色展開。これらの色彩もまた、AIには決して弾き出せない「究極にロジカル」な直感の産物なのだ。

ラ・ボーテ ルイ・ヴィトン LV クレヨン 各¥8,580。専用のビューティー ペンシルシャープナー(写真中央左)¥68,200、リップ ブレンディング ブラシ(中央右)¥17,600/ルイ・ヴィトンラ・ボーテ ルイ・ヴィトン LV クレヨン 各¥8,580、専用のビューティー ペンシルシャープナー〈写真中央左〉¥68,200、リップ ブレンディング ブラシ〈中央右〉¥17,600/ルイ・ヴィトン

photos & text: Aya Aso

お問い合わせ先
RMK Division
tel: 0120-988-271
web: https://www.rmkrmk.com

アディクション ビューティ
tel: 0120-586-683
web: https://www.addiction-beauty.com

ルイ・ヴィトン
tel: 0120-00-1854
web: https://jp.louisvuitton.com

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