ピーター・フィリップスが語る「ディオール ビューティー」の最新ルック。“KISS FROM A ROSE”
2024.2.28
「ディオール」のメイクアップ&クリエイティブ イメージ ディレクター ピーター・フィリップスが表現する、「パルファン・クリスチャン・ディオール」の春メイク。新作リップで描く大胆で、しなやかな口元に魅了される最新ルックと彼自身の独占インタビューをお届け。
2024.2.28
「ディオール」のメイクアップ&クリエイティブ イメージ ディレクター ピーター・フィリップスが表現する、「パルファン・クリスチャン・ディオール」の春メイク。新作リップで描く大胆で、しなやかな口元に魅了される最新ルックと彼自身の独占インタビューをお届け。
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大胆でしなやかに、咲き誇る花のように香る唇。うるおいと香り、柔らかさと繊細さ・・・「ディオール」の最新リップのエッセンスが広がる、ピーター・フィリップスが手がける“春ルック”。新作リップを纏った多様な5人のモデルが開花する「ディオールビューティ」の世界へ。
Q1メイクアップのインスピレーションの源は?
まず初めに考えるのは、このメイクをする女性のことです。もちろん、アートや写真、映画からもインスピレーションを受けますが、私は現実に根ざしています。もし私の仕事が単にインスピレーションや嗜好に限るものなら、それはあまりにも狭い世界で、偽りのものになるでしょう。自分を満足させるためではなく、世界中の女性たちを喜ばせるために仕事をしています。このコレクションはすべて自然な色彩で構成されています。一番明るい色でも、茶色、トープ、レンガ色、ベージュ、ヌード・・・。「自然な」という意味をどう表現するか、考えを巡らせました。アメリカとフランス、韓国や中東では、ヌードルックがまったく異なります。それは肌の色の問題ではなく、文化、気候、ライフスタイルに関わることです。そのような理由から、この新しいルージュディオールコレクションには世界では70ものバリエーションがあります。
Q2新しいリップスティックのテクスチャーは素晴らしいですね。
現代の女性たちは、自然で、簡単で、保湿され、安心感のあるものを求めています。私たちは何年もの間、メイクアップにスキンケア要素を加えています。化学者たちと協力しながら開発を進めています。もし研究所で新しい花のエキスをセラムに使用する手法が開発されれば、それを活かすようにしています。彼らの科学的な創造力によって、製品がさらに進化し、新しい質感でより快適に持続性もアップします。リップスティックやファンデーションの新作が発表される裏には、絶え間ない研究と革新があります。
Q3モデルたちは非常に多様ですね。それぞれのアプローチはどうされましたか?
アクセシブルなルックを作ろうと思いました。完璧だけど複雑すぎない、家でも試せるような印象を。また、彼女たちの独自の美しさにも焦点を当てようと思いました。アメリは元気いっぱいなので、力強い赤いリップを。ボーイッシュなマヤには、90年代の日本のデザイナーがやったような、より概念的なものを求めました。他にはない、大胆でマットなリップです。アリョーナには、北欧風で厳格な印象を追求しました。モウナは素晴らしい肌質なので、赤みのあるアンダートーンと目元にゴールドでポップな印象をプラスしました。そして、人形のようなヒョンソには、二つの異なるルックを試してみました。一日でこのような多彩なクオリティの仕事をするのは本当に大変です。
Q4:プレッシャーにはどう立ち向かっていますか?
私は朝型なので、とても早く起きます。だからスタジオに到着したときには、準備ができています。そして一度始めたら、止まりません! 疑問を抱く時間も、試行錯誤の時間も自分に与えません。すぐに正しい方向性を見つけなければならないからです。それでもやはりチームワークなので、できるだけ引いて、客観的にみることもあります。でもリーダーシップをとることが必要なので、時には少し軍隊風になることもあります(笑)。
Q5: メイクをした後、女性に何を言ってもらうのが理想ですか?
幸せだと言ってくれたら嬉しいですね。素晴らしい思い出が二つあります。15年または20年前、私はミア・ファローのメイクを担当しました。彼女の反応は「こんなに素敵に見えるのは60年代以来よ!」というものでした。最高な気分でした。もう一つの思い出は母とのものです。彼女は私にメイクをさせてくれず、私の仕事をあまり理解していませんでした。そしてある日、大きなイベントに義父で出席する準備をしているとき、ついに説得してメイクを試みることを許してもらえたのです。彼女が緊張しているのを感じました。私がほぼ終わりかけた頃に義父が入ってきて、「とても美しい! もう一度きみに恋をしてしまいそうだ!」と叫びました。そして彼女がリラックスしたのを感じました。彼のその反応は私にとって特別なものでした。これが私の望むことです。女性に、幸せで美しいと感じてほしいのです。
Photographer: Guillaume Millet
Fashion Editor: Florence Deladrière
Make-up by Peter Philips, Creative and Image Director for Dior Makeup
Models: Hyun Seo @Kplus, Amelie Kopf @Premium, Maja Zimnoch @IMG Paris, Alyona Osmanova @New Madison, Mouna Fadiga @Elite Paris
Hair: Peter Gray @ Home Agency
Manicure: Sylvie Vacca @ Call my Agent
Fashion Assistant: Yamima Alexander
Casting: Barbara Blanchard Casting
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